- 作業準備
エリア(1) - 洗浄
エリア - 消毒
エリア - 滅菌
エリア - 作業準備
エリア(2)
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- 4
- 5
器材の分別
<器材の分別>
洗浄を行う前に器材の分別を行います。分解可能な器材は分解し、分解ができないハサミなどの器材は開いた状態で分別します。また、血液などのタンパク質汚れは放置すると凝固し、洗浄しづらくなるので、すぐに洗浄が行えない場合は、「ハイジーンプレミスト」などの凝固防止スプレーを使用することで、血液やタンパク汚れの乾燥・凝固を防ぐことができます。
用手洗浄
<用手洗浄>
用手洗浄は、洗浄剤とブラシを使って、物理的に汚れを取り除く方法です。器材が少ない場合や機械洗浄が難しい小さい器材には有効ですが、作業者の感染曝露のリスクや鋭利な器材による切創がおこる危険性があります。
用手洗浄は、カゴにためた水のなかで、水を流しながらブラシで付着物などを洗浄します。
中空の器材などは細長いブラシなどで丁寧に洗浄します。
浸漬洗浄
<洗浄剤による浸漬洗浄>
器材を洗浄剤につけ込むことで、汚れを除去する方法です。
器材が少ない場合や機械洗浄が難しい小さい器材、複雑な形状をした器材には有効ですが、作業者の感染曝露のリスクや浸漬洗浄後の水洗時に鋭利な器材による切創のリスクがあります。
洗浄時間は、汚れの程度にあわせて調整が必要です。汚れが酷い場合は、長時間浸漬します。
器材洗浄
<超音波洗浄器による洗浄>
超音波洗浄器は、超音波を発生させることで、液中の泡による衝撃波と水の分子が洗浄物にぶつかりあって汚れを落とす、キャビテーション効果で洗浄を行います。目に見えない器材の細部まで短時間で洗浄できます。
キャビテーション効果を減少させる物や、ハンドピースなどの洗浄できない物は入れないようにして下さい。
万一、血液やタンパク質汚れが固まってしまった場合は、浸漬洗浄を行ったのちに超音波洗浄をすると効果的です。
熱水消毒
<ウォッシャーディスインフェクター>
ウォッシャーディスインフェクターなどを使用する熱水消毒は、一定の温度と時間によって、一般細菌やウイルス等の微生物を感染しない水準に殺滅、または不活性化できるといわれています。ウォッシャーディスインフェクターは【洗浄→すすぎ→消毒】などを自動的に行います。
用手洗浄の時のような切創のリスクを大幅に減らすことができ、感染予防に効果的です。また、一度に多くの器材を洗浄できることから、労力の軽減にもつながります。
薬液消毒
<薬液消毒>
化学的な消毒は、消毒薬の特性や使用目的、消毒する対象物に応じて十分効果が期待できるものを選択することが重要です。また、消毒薬は生体に対して毒性を持つので、取り扱いには注意が必要です。
包装
<包装する器材の注意点>
滅菌する器材は、十分に乾燥させ、汚れが残っていないかをルーペなどを使って確認します。器材に水分が付着していると滅菌温度を低下させ、蒸気が確実に器材に行きわたらず、滅菌不良の原因になります。
滅菌バッグの包装は、しっかりとシールがされていることを確認します。また、滅菌バッグは滅菌物より3㎝程度の余裕がある大きさにします。 滅菌バッグが大きすぎたり小さすぎたりすると、蒸気の浸透性が悪くなり、滅菌不良の原因となります。
滅菌
<オートクレーブによる滅菌>
庫内では滅菌バッグが膨らんだり縮んだりするため、器材は重ならないようトレーに置き、およそ70%を目安に適切な量を収納します。
適量以上に詰め込むと滅菌物に蒸気が行きわたらないなど、滅菌不良の原因となります。
被滅菌物に合わせて、指定の温度・時間を設定し、滅菌をスタートします。
保管
<滅菌物の保管上の留意点>
滅菌物保管区域は、隔壁を有し、人の出入りを制限した場所で、滅菌済の清潔物品・医療機器の保管だけに使用されるものです。
- 滅菌済の物品は、扉のついた保管棚(キャビネット)に入れます。
- 保管棚は、建物の外側と内側の温度差により内壁表面に水分が結露することがあるため、床から最小限度離しておく必要があります。(最少限度床面20cm以上、天井から45cm以上、外壁から5cm以上離しておくことが望ましい)
- 滅菌物は、滅菌物が壁表面から汚染物を拾い上げる可能性があるため、内壁に立てかけて保管しないようにします。
- 物品の保管にあたってはつぶれたり、折り曲がったり、圧縮されたり、包みに穴があいたり、その他内容物の滅菌性が損なわれないように保管します。
- 滅菌物を床の上、窓枠の上その他、作業台、受付(カウンター)、電化製品や水場の近く等に放置・保管しないようにします。
- 滅菌バッグやカストで包装して滅菌された器材は湿気を帯びず直射日光の当らない扉のある場所に保管することが推奨されます。また必要以上に滅菌物に触れないことも重要です。