管理は産まれる前から 予防歯科で健康な未来をつくる
小児と予防を中心に据えた「きずなデンタルクリニック」。
明確なコンセプトのもと、地域の未来のために力を尽くす。
予防への思いが高まり予防中心の医院を開院
群馬県の中核都市である高崎市。その中心街から車で10分ほどの閑静な地に「きずなデンタルクリニック」がある。
「これまでインプラントを中心に様々な治療を行ってきました。ただ、治療のたびに“こうなる前にできることはなかっただろうか”と考えるようになり、予防への思いが強くなりました」
そう語るのは院長の伊藤洋先生。健康に近い状態から早めに介入して管理する、予防を前面に打ち出した歯科医院として、2022年8月に「きずなデンタルクリニック」を開院した。
最適な時期から管理を開始
「きずなデンタルクリニック」は、妊娠期間から2歳以下のお子さんの予防に特に力を注いでいる。この時期からお子さんとご両親に介入を始めることが、子どもたちの未来のために効果的だと伊藤先生は考えている。
「例えば、妊娠中はホルモンバランスのことも考え、お口の環境を整えることが大切です。授乳の仕方が歯並びに影響することもあります。これまではあまり歯科医院がかかわることのなかったこの時期にこそ、できることがたくさんあると思います。また、う蝕は親子間・家族間で感染するので、家族みんなで予防に取り組むことをおすすめしています」
吹き抜けによる2階建ての院内は、コンセプトを実現するために考えられた設計になっている。1階は主に小児のためのエリア。保育士が常駐する保育室が設けられ、キッズスペースのほか、子ども用のトイレや歯磨きスペース、授乳室も備えるなど、万全な体制が整えられている。2階は成人の診療エリアで、半個室型の診療ブースが並んでいる。また、1階と2階をつなぐ階段の途中には広めのアクティビティスペースがあり、マタニティセミナーなどのイベントが開催できるようになっている。
正確な検査で確実な予防を
伊藤先生が診療で最も大切にしているのが初診カウンセリングだ。現状や希望、悩みなどを丁寧に聞き、どのように予防に取り組んでいくかをともに考えるようにしている。カウンセリングの後は口腔状態をしっかり検査する。すべての患者さんに唾液検査を行うという徹底ぶりだが、画像による検査も重要視しており、X線装置にはアーム型X線CT装置Aadva GX-100 3Dを導入した。
「患者さんの現状を正確に把握することが、確実な予防につながると考えています。画像での検査は疎かにしてはいけないという思いから、高精度の画像が得られる機器を選びました」
検査の後は、セルフケアのトレーニングや口腔内清掃などを行い、そこから管理をスタートする。予防のプログラムは、カウンセリングや検査などをもとに、患者さんごとに細かくオーダーメイドしているそうだ。
「今」を積み重ねて健康な未来につなげる
コンセプトがはっきりしているからこそ、「きずなデンタルクリニック」ではスタッフとの方向性の共有を大事にしており、開院の3ヵ月前から研修を行ったという。
「未来は今の積み重ねだと思うんです。子どもたちのより良い未来のために、家族みんなで頑張る。その一つひとつを積み重ねていくことで患者さんの健康を守り、また地域に予防歯科を広げていければと思っています。スタッフ一丸となって、患者さんの今に寄り添っていきたいです」
予防を根付かせることは容易ではないと伊藤先生は実感している。それでも地域の未来のために、「きずなデンタルクリニック」はひたむきに歩みを続ける。