歯科は“発想” 円熟味を増した東北の雄の挑戦は続く
仙台の地で臨床を追求し、地域の人たちに愛されてきた医療法人が
分院開設という新たなステップに進んだ。
「臨床が好き」研究者から臨床家へ
杜の都・仙台郊外の泉区将監には、仙台市街地や近くの工業団地に通うファミリー層が多く居を構え、閑静な住宅が建ち並ぶ。その一角で一際目を引くモダンな建物が「東北第一歯科 将監院」である。3kmほど離れたショッピングモール内に本院があり、医療法人として初の分院となる。
理事長を務めるのは樋口繁仁先生。樋口先生は大学勤務の経歴をもち、研究者として確かな実績を残した後、本院を開業し再スタートを切った。当時の思いをこう語る。
「大学での任務は、研究、教育、臨床と大きく3つありましたが、私は圧倒的に臨床が好きでした。自分の思い描く臨床を追求したいという気持ちが強くなり、開業に至りました」
地域密着の歯科医療を掲げて開業した本院は、ホスピタリティと高い技術力が患者さんに響き、今では地域になくてはならない存在になった。そして、本院の開院から約15年の歳月を経て、このたび分院を開設した。
「いま54歳になるのですが、地域に何か形あるものを残したかったんです。それが私にとって、この『将監院』でした」
かゆいところに手が届く熟成されたジーシー製品
「東北第一歯科 将監院」は、樋口先生が長年培ってきた経験を活かし、快適な治療環境を実現している。院内は完全バリアフリー。治療用のエリアとメインテナンス用のエリアを完全に分離した。
ユニットをはじめとして大型機械類は、本院から引き続きジーシーの製品を多く選んでいる。
「ジーシーの製品は、十分に考えられ熟成されているといつも感じます。例えばユニットでは、細かなところですがディスポーザブルの汚物入れを固定できるようになっているなど、術者にとってかゆいところに手が届いていて、気に入っています」
大学在籍中から多くのユニットを使用してきた樋口先生の厳しい目から見ても、ジーシー製品に対する評価は高い。
診療の“発想”を広げるAadva GX-100 3D
開院にあたり、X線装置には最新のAadva GX-100 3Dを選んだ。その導入の理由を尋ねると、樋口先生からは意外な答えが返ってきた。
「この治療に使いたい、といった明確な目的は当初はなかったんです。むしろ、こういう治療に使えるのではないか、という発想を引き出すために導入しました。私の持論ですが、歯科治療は“発想”だと思っています。Aadva GX-100 3Dは、その発想の原点になり得ると考えています」
そう語るように、Aadva GX-100 3Dを使用していくうち、樋口先生の中で新たな発想が生まれているという。根管治療に非常に有用だとわかると、マイクロスコープの必要性をより感じるようになった。さらに、口腔内スキャナを導入してデータを組み合わせたらどんなことができるか、さらに発展してミリングマシンを導入し技工まで内製化することは可能かなど、これまで考えていなかった治療への考えがどんどん広がってきたそうだ。
挑戦する背中を見せ若い歯科医師を育てたい
新しい環境で樋口先生が最も力を注いでいきたいのは、歯科医師の人材育成だという。
「これまでも多くの若い歯科医師を指導し送り出してきましたが、間違いなく言えるのは、貪欲な歯科医師は伸びるということ。若いうちは誰でも小さな失敗を繰り返します。一番大切なのは、それをいかに跳ね返していけるか、スピリッツだと思います」
なおも貪欲に挑戦を続ける樋口先生の背中を見て、ここから若い歯科医師が続々と羽ばたいていく。そんな未来像がはっきりと見て取れた。