一歩進んだ“親切・思いやり”究極のホスピタリティを目指して
北海道の温かい人たちに支えられ開業した「カインドデンタルクリニック」。
成功の秘訣は、徹底したホスピタリティの追求にあった
開業は自分の力が一番発揮できる場所で
札幌市街地から車で20分ほど離れた東雁来地区は、築浅の住宅が並ぶ新興住宅地である。その一角に「カインドデンタルクリニック」は開院した。2018年7月のことだった。
院長の岡和也先生は和歌山県出身。北海道医療大学歯学部を卒業後、札幌市内の歯科医院の分院長を5年間務めたのち開業に踏み切った。
三代続く歯科医師一家に育ち、郷里では父と兄が開業している。帰省して開業するという選択はなかったのか尋ねると、岡先生からこんな答えが返ってきた。
「正直言うと迷いました。でも、最後に背中を押してくれたのは父の言葉でした。“自分の力が一番発揮できるところで開業しなさい”と言われたのです」
岡先生は長らく学び、勤めた北海道で多くの仲間を得ていた。地元出身で歯科衛生士を務める奥様の聡美さんはもちろん、先輩の歯科医師や歯科技工士、ジーシーをはじめとする歯科関連企業の担当者など、様々な人たちと良好な関係を築き上げていた。
「北海道の土地というより人の温かさに惹かれ、ここならば自分の力を一番発揮できると、開業を決断しました。背中を押してくれた父に恥じないよう、自分のやりたい医院や歯科医療を突き進めるようにしています」
患者さんの生活や未来を考える、一歩先を行く細かな配慮
岡先生には、ずっと抱き続けている理想の歯科医院像がある。それは“家族みんなで通い続けられる医院”。そのため、医院の設計段階からファミリー層を強く意識した。全体的に歯科医院らしくはせず、窓ガラスを大きくして外から院内が見られるようにした。患者さんが座るユニットは、その性能はもちろん、家族みんなに親しんでもらえるよう質感や色合いも重視し、イオム レガロを選んだ。また、院内を土足にしたのにも深い理由があった。
「小さいお子さんを抱えているお母さんは医院に来るまでに、ご飯を食べさせて、着替えさせて……と様々な準備をしているので、せめて当院に来てもらったときには苦労を軽減してあげられるようにしたかったのです」
お母さん方にとっては、お子さんの靴を脱がせたり、履かせたり、といったこともひと苦労。岡先生は自身の子育ての経験も踏まえ、お母さん方の心理面などにも目を行き届かせているのだ。
さらに診察スペースを見ると、キッズスペースを設けたブースも用意されている。これにはお子さん連れのお母さんが安心して治療を受けられるという利点があるが、それだけではない。お母さんが治療される様子をお子さんが見ることで歯科医院への免疫がつき、将来自分が来院することになったときに怖くならないようにできるのでは、という考えが込められている。
ライバルはディズニーランドスタッフ一丸でホスピタリティ追求
配慮が行き届いた医院設計の効果もあってか、開院当初から多くの患者さんが来院した。3台でスタートしたユニットは、およそ2ヵ月後に4台目を増設。現在は5台のユニットがフル稼働している。それに伴い、当初は岡先生1人だった歯科医師は5名に。歯科衛生士や事務スタッフも倍以上になった。さらに保育士の資格を持つスタッフを雇用し、ファミリー層が通いやすい環境を拡充させている。
「うちの医院があるのは、スタッフのおかげなんです。みんなが迷わないように舵取りをするのが私の責任だと思い、ミーティングを重要視しています」
岡先生は自身の想いや考えをスタッフと共有するため、毎日の朝礼とは別に、月に1度貴重な午前中の診療時間を割いてミーティングや研修を実施している。今、一番力を入れているのはホスピタリティだという。
「スタッフには、ライバルはディズニーランドだと話しています。来てくれた人に、おもてなしや診療に感動し、満足していただく。そして、もう一度来たいと思っていただく。そんなホスピタリティを実現したいのです」
カインドデンタルクリニックの“カインド”には、親切・思いやりのある医院にしたいという岡先生たちの願いが込められている。それを実現するため、スタッフ一丸で、日々研鑽を続けている。