歯科医院の成功の秘訣は脈々と受け継ぐ『昭和の歯科医師魂』
開院以来“患者さん目線”のブレない姿勢を貫いてきた「日立北デンタルクリニック」。
決して奇をてらわず、自然体の診療が多くの支持を集める。
開院以来15年、描いてきた成長曲線
日立市北部に位置するJR常磐線の十王駅から徒歩2分、黒を基調にしたモダンな建物が一際目を引く。2004年に開院して以来15年。増改築を重ねてきた建屋に象徴されるように、「日立北 デンタルクリニック」は着実に成長曲線を描いてきた。日々たくさんの患者さんが訪れ、スタッフは歯科医師3名を筆頭に総勢12名の大所帯。ユニット3台から始まった診察室は8台に増えた。
成功の秘訣について、院長の久保田 滋先生に伺うと、「う~ん」と首をかしげ考え込んだ。
「特別なことは、何もしていないんですよ」
話を聞き進めていくと、この久保田先生の返答には、深い意味が込められていたことを知ることとなった。
4代続く歯科医師一家に育ち、地元で開業
久保田先生は、曾祖父から代々歯科に勤しむ歯科医師一家に生まれた4代目。奥羽大学を卒業後、大学院で研究を続け、その後、都内で2年間勤務医として研鑽を積んだ。北茨城市で開業していた父は元気に活躍していたこともあり、父とは別に近隣の日立市に開業することにした。
「日立北デンタルクリニック」が建つ十王エリアは、住宅地の開発が進められ、日立市郊外のベッドタウンとしても人気を集めている。患者さんは30代~40代の子育て世代のお母さんやその子どもなど、ファミリー層が多い。
久保田先生と同世代の患者さんも多く、「健康面での共通の悩みを分かち合うこともでき、同世代の歯科医師が診療するメリットは大きい」と、診療への好影響を実感している。
すべての起点は“患者さん目線”
「日立北デンタルクリニック」の診療方針は、極めてシンプル。
『自分が患者になったときに、してほしくないことはしない』
つまり、常に“患者さん目線”を外さないということだ。それは医院の設計にも貫かれており、たとえば診療ブースはひとつのエリアにまとめて配置するのではなく、複数の部屋にわたって設けられている。術者目線で見ると、ユニットが一列に並んでいるような診療室のほうが都合が良い。一人の歯科医師が、同時に何人もの患者さんの診療を行いやすいからだ。しかし久保田先生は、診療ごとにそれぞれの部屋に歯科医師が足を運んで患者さんに接することで、より親身に向き合えるのではと考えて、現状のような院内レイアウトになっているのだという。
ただ、こういったレイアウトでは当然だが診療の効率は下がり、多くの患者さんを診療するためには、複数の歯科医師を確保しなければならない。そのため開院当初から歯科医師を雇った。その努力は今、実を結んでいる。「日立北デンタルクリニック」では、多くの歯科医師が育ち、若い人材が集まる活気ある医院へと成長した。
“パートナー”と二人三脚で
開院以来、頼りにしてきたのがジーシーの担当者だという。久保田先生は「機器はもちろん、材料のことまで聞ける。懐が深く、大変助かっている」と存在の大きさを強調。また、ユニット8台が稼働している状況下で、機器の故障などで診療に支障を来す事態は避けたいという思いが強く、メンテナンスを特に重要視している。
「担当者には、フットワーク良く対応してもらっていますよ」と、日々の対応の評価も高い。まさに15年間、二人三脚で歩んできた“パートナー”だ。
令和の時代に継承する『昭和の歯科医魂』
前述の「特別なことは何もしていない」の後、久保田先生はこんな言葉を紡いだ。
「昭和の歯科医師ですよ」
どれだけ、最新の医療機器を揃え、診療技術を向上させても、変わらないものがある。それは『昭和の歯科医師魂』だという。4代にわたって培われてきたのは、患者さんの声に真摯に耳を傾け、愚直に向き合うこと。時代は昭和から平成、令和と流れても、不変の魂を継承し、地域の歯科医療に邁進する。その姿勢こそが、成功の秘訣なのだろう。