看護師・保健師から転身 全身管理のできる歯科医院を目指す
口腔だけでなく全身に目を向け、誰でも安心して歯科治療を受けられる。
地域の患者さんにとって頼もしい「クレイン歯科」が誕生した。
看護師としての病院勤務を経て歯科医師の道へ
田園風景と住宅地の調和がとれた愛知県あま市。名古屋市のベッドタウンとしても発展するこの地に、2020年5月に開業したのが「クレイン歯科」だ。
院長の鶴田先生は、歯科医師であるとともに、看護師と保健師でもある。看護師と保健師のライセンスを取得し、病院の小児外科で看護師として医療従事者のキャリアをスタートした後に、歯科医師を目指した。その転身の理由を次のように語る。
「日々、さまざまな重症疾患をもつ子どもの看護をする中で、臨床で初めて学ぶことが多々あり、もっと勉強を重ねたいという意欲が芽生えました。特に、口唇口蓋裂の手術を受けた子どもの親御さんが喜ぶ姿を見た瞬間が印象的で、歯科の道を志しました」
歯科大学の卒業後は、歯科医師として勤務しながら知識の習得と研鑽に努め、日本顎咬合学会や日本歯科麻酔学会の認定医なども取得。そして、満を持して開業に至った。
全身的な観点から歯科医療を提供
鶴田先生が目指すのは、すべての患者さんが安心して治療を受けられる歯科医院だ。
看護師・保健師としての知識や経験を活かし、全身管理を意識して診療にあたる。これにより、たとえ持病のある患者さんでも安心して受診可能な歯科医院として、地域に貢献できると考えている。事実、待合室に業務用の血圧計を用意し、初診時には患者さんの状態を問わず血圧を測定してもらうなど、患者さんの健康状態への配慮に余念がない。何らかの基礎疾患をもっていても病識がないという人も多く、口腔内のことばかりでなく、全身疾患に関する問診やバイタルサインの測定などを念入りに行ったうえで、歯科診療に入るように心がけているのだ。
逆風からのスタートも多くの患者さんに愛される歯科医院に
「クレイン歯科」が開業した2020年5月といえば、緊急事態宣言の真っただ中。予定していた内覧会を中止にするなど、宣伝は控えめにとどめた。
逆風の状況下での船出となったが「当初患者さんが少なかったぶん、一人ひとりとしっかり向き合う術を身につけられたのが良かったと思っています」と、ゆるやかなスタートを肯定的に捉えている鶴田先生。全身管理を意識した丁寧な診療に医院スタッフ全員の親切な応対もあいまって患者さんの信頼を獲得し、口コミで評価が広がって、コロナ禍でありながら来院患者数は増え続けている。
診療室のユニットには、イオム レガロ4台を導入している。医院を訪れる患者さんの層は乳幼児から高齢者までと幅広く症例も多様。患者さんのさまざまなニーズに的確に応えるうえで、シンプルかつ使いやすいイオム レガロの操作性が治療を支えてくれているという。また、近頃は審美歯科の需要も増えており、ティオン オフィスによる低刺激のホワイトニングなども患者さんから好評を得ているそうだ。
医院が描くこれからの飛躍
「最後に、鶴田先生が描く歯科医院の未来像をうかがった。
「これまでどおり、当たり前のことを一つひとつ丁寧にできる環境を大切にしつつ、患者さんの全身状態を気にかけられる歯科医院でありたいですね。展望という面では、院内で高度な手術を行えるよう設備の充実や技術の向上を図りたいと考えていますし、訪問診療にも積極的に取り組んでいきたいです」
高度な手術や訪問診療は、全身状態の管理がより重要となる分野。歯科医師・看護師・保健師という自身の力をさらに活かし、地域の人々のために飛躍を続ける鶴田先生の思いが伝わってきた。