多田歯科医院

多田歯科医院
北海道室蘭市中央町 医療法人社団

患者さんの高齢化とこれからの歯科医療を考えて再出発

室蘭市は鉄鋼業を中心に工業都市として発展してきた。
現在は高度成長期のような繁栄は望めないが、その町の歴史を見守ってきた歯科医院が、町の中心部で次代に向けての新たな出発をした。

バリアフリーを目指して1階への移転開業

 

 「以前は診療室が2階でした。患者さんの多くが高齢となり階段が辛くなったので1階の診療室に移転しました」と、 院長の多田和央先生。
 「多田歯科医院」は室蘭市で1984年に開業。ご自宅兼用で2階が診療室だった。開業30年を区切りに、2013年4月、前診療所のすぐ近くに診療所を移転した。それと同時に、長男で副院長の多田和弘先生も室蘭に戻ってきた。
 「移転を計画している時に大学時代のサッカーOB 戦で足を骨折して、当時大学院生だった長男に2ヶ月ほど診療を助けてもらいました。そんなこともあり、移転後に患者さんが増えたら父親1人では大変だと感じました。今では副院長と共に、患者さんに充実した診療を提供できるようになりました」
 移転開業から1年半、階段を上がれなく、ご無沙汰していた患者さんが戻るとともに、母校である日本歯科大学新潟生命歯学部の歯周病学講座非常勤講師である副院長・和弘先生の噂を聞きつけて新たな患者さんも来られるようになり、患者数は倍増した。

高齢者も若い患者さんも考慮した医院設計

 

診療所は完全バリアフリー設計で車椅子でも楽に移動できる。受付も高齢者を意識してカウンターの一部を座って対 面できるように低くした。待合室は若い人が寛げるカウンタータイプと通常のタイプで2つの空間を設けた。診療室は半個室型の一般診療室(ユニット4台)と完全個室のメインテナンス室と特診室がある。
 「ユニットは開業時からジーシーです。開業時は、ジーシー初期のオリジナルユニット・エラン2000Ⅱを導入し、その後、イオムα2台、イオムβ、イオムレガロと入り、移転に合わせてレフィーノとプランメカGコンパクトiタッチを導入しました。現在、ユニットは計6台を設置していますが、長年使っているユニットもありますが壊れないのでジーシー製の信頼感は抜群です」と院長。
 ジーシー製品を選んだのは営業担当者の人柄とサービスの良さだったという。2014年9月にはプランメカ社の3DCTも導入された。「室蘭では土足のバリアフリーもジーシー製のCTの導入も初めてです」。

ハブ歯科医院として地域の歯科医療を支えたい

 

 多田和央先生は室蘭歯科医師会会長でもある。また、先生のご実家は創業100年以上の「多田薬局本店」で地域では名家として知られている。それだけに、歯科医療を通じて地域住民の健康を掌るオピニオンリーダーとして、つねに地域のことを考えられている。
 「副院長が戻ってからはメインテナンスの患者さんも増えました。当初ケア用はチェア1台の予定でしたが今では3台使っています。また、現在歯科研修医の二男も将来帰ってくる予定です。そうしたら、この医院をハブにして勤務医を入れて後進を育てるとともに、各診療科の専門医と も連携して、ここ自体を二次医療機関的に発展させていきたいと考えています」
 健康長寿の時代だからこそ、歯科から地域医療・地域住民の健康生活を支えていきたいと、多田和央院長は語られる。