松尾歯科医院 鹿児島

松尾歯科医院 鹿児島
鹿児島市加治屋町

患者さんに最善の治療選択を怯まず自費診療を提案

『松尾歯科医院 鹿児島』のルーツは沖永良部島。
島での経験を礎に鹿児島に新たな風を吹き込む

 

鹿児島での開院に込められた思い

 

 桜島を望む鹿児島中央駅から、歩いて10分。「松尾歯科医院 鹿児島」は、鹿児島市中心部にあるビルの7Fに医院を構える。開放感のある吹き抜けの待合室には、コバルトブルーの海の写真があしらわれている。松尾栄次郎院長にとって海はいつも身近な存在だった。26年間、奄美群島・沖永良部島で歯科医療に励んだ。現在でも月に一度は島を訪れて診療を行っているが、拠点は「松尾歯科医院 鹿児島」に移している。鹿児島の地で開業した理由について尋ねると、「そろそろ街のネオンが恋しくなってね」と松尾院長は人懐こい笑顔を浮かべた。言うまでもなく、院長流の照れ隠しで、その影には熱い思いが込められていた。

 

島で培った得がたい経験

 

 東京育ちの松尾院長にとって、両親の故郷である沖永良部島は“第二の故郷”とも言える場所だった。父親の定年退職に伴い、島に帰りたいという両親に呼応するように島での開業を決断した。しかし、いざ診療を始めると、患者さんの口腔内の状態があまりにも悪いことに驚いたという。う蝕や歯周病などが放置されたままの方がとても多かったのだ。愕然とした松尾院長は、自分が先頭になって変えていかなければならない、と決意を新たにした。
 まず始めたのは、患者さんへの説明を徹底することだった。重症になった患者さんには、インプラントや義歯など治療の選択肢が限られている。そうした治療は患者さんの経済的負担が少なくない。納得していただかなければ、治療に入ることはできない。松尾院長は患者さんの口腔内の状態をできる限り写真に撮り、その写真をもとに歯が体の健康に与える影響を話した。するとほとんどの患者さんは納得され、自費診療を希望する患者さんが多くなっていった。松尾院長は患者さんと真摯に向き合い、丁寧に説明することの重要性を身をもって体験したのだ。

 

最新治療を提供するために

 

 沖永良部島の歯科医療を牽引し26年。確かな技術と丁寧な説明が評判を呼び、地域を代表する歯科医院の一つに成長した。今後、より高度で先進的なものを取り入れ、地域の人たちの“健口”を守りたいと考えた松尾院長は、積極的に学会や勉強会に参加した。ところが、島から参加するためには3日間休診にしなければならない。日進月歩の技術革新に後れを取らないためにも、拠点となる医院が必要だった。その思いが結実したのが、2017年11月に開院した「松尾歯科医院 鹿児島」である。
 鹿児島の医院には吟味を重ねて選んだ最新機器を取りそろえた。CAD/CAMシステムをはじめとした歯科技工用の機材も充実させ、即日でクラウンを完成させる体制を整えている。
 全部で4台のユニットは用途によって種類を分けた。治療には、操作性に優れたイオムレガロを採用。デンタルショーで操作してみて、使い勝手の良さに即決したという。また、メインテナンスやホワイトニングの患者さん用として、座り心地が良くマッサージ機能も付いているルアーナを設置した。リラックスして受けられると患者さんにも好評だ。

 

 

歯科医師の責務を果たしたい

 

 鹿児島での診療でも患者さんへの説明を重要視した。カウンセリングルームには、大型モニターを配し、自分の歯の状態を詳細に見られるようにしている。マイクロスコープは口腔内写真も手軽に撮れるので、重宝しているという。
 松尾院長が患者さんとのカウンセリング時に心がけているのは、きちんと選択肢を提示するということ。例えばクラウンの素材にしても、保険適用の金属だけでなく、自費診療のセラミックやジルコニアについても案内する。値段は10倍も違うがその違いが、歯だけではなく、今後、全身の健康にどう影響してくるかについてまで詳しく説明する。
 「患者さんにとって最善の治療とは何か。歯科医師は、きちんと説明し選択肢を提供する責務がある」と、松尾院長は強く訴える。それは、きちんと伝えることで自分を信じてくれた沖永良部島での経験が礎となっている。こうした説明により、患者さんの3人に1人は自費診療を選ぶという。
 島で培った経験を鹿児島の患者さんに生かし、鹿児島での高度医療を島に還元する。松尾院長が描く好循環のサイクルが、着実に動き始めている。