家族で地域のために運営するアットホームなクリニック
仙台市の中でも自然が豊か。
近くにはスキー場もあるくらい冬は雪も多い里山の住宅街で、実家のように温かいアットホームな歯科医院が開業30年目を迎えた。
ドクターは母と子、事務と受付は父
仙台市の北西部、泉ヶ岳の麓に位置する泉区住吉台に「住吉台歯科医院」が誕生したのは平成元年。院長の新保知子先生、独身時代の開業だった。
その後、結婚されて子供が生まれ、診療と育児に追われる日々が続いた。一般企業に勤めていたご主人の正志さんは、そんな妻の体調を気遣い、会社を退職して家事と子育てのサポート、さらには医院の医療事務を担当されるようになった。
開業から30年目の現在、正志さんは事務長と受付として、息子の貴志さんは歯科医師になられ、今年5月からスタッフに加わった。
まさに「住吉台歯科医院」は新保ファミリーで運営される歯科医院である。
予防歯科にシフトするために全面改装
「住吉台歯科医院」は今年4月に院内を全面改装した。天井は青空と気球、カウンセリングルームはサファリイメージの壁紙で演出し、院内は楽しい雰囲気に満ちている。「リラックスできる怖くない歯科医院でありたいので、楽しい気分になれる壁紙にしました」と知子先生。カラフルな院内と先生方の自然で優しい対応から、昔から子供に人気の歯科医院でもある。
開業30年目で全面改装したのには、老朽化だけではない別の理由もあった。
「少し前までは削って詰めるなどといった、言わば事後対応が主でした。けれどそれでは患者さんのためにならないという思いが強くなりました。高齢の患者さんも増えていきますし、さらには歯周病がもたらす全身疾患も明らかになってきていますので、自分でしっかりプラークコントロールができる人を増やしたい。そのような予防歯科にシフトするための改装でした。息子も一緒に診療してくれることになり、第二のスタートという気持ちでもありました」と知子先生。
かつてオープンタイプの診療室に4台のユニットが設置されていた空間は、半個室的なユニット3台の診療ブースに。奥にはユニット1台の個室的ブースを新設した。4台のユニットは全てイオムレガロが導入されている。操作がシンプルで使いやすいことからジーシーのユニットは開業当時から愛用されているという。
さらにカウンセリングルームが設置され、治療後のメインテナンス及びTBI専用の予防専用コーナーの準備も進められている。
「大学卒業後は口腔外科の診療も行っていたので、インプラント治療を患者さんにお勧めすることもできます。でも、まずはプラークコントロールの重要性を患者さんにお伝えし、インプラントに至らないように予防に力を入れていきたいのです。3人の歯科衛生士には、毎日のようにTBIを頑張ってもらっています」と語られる。
団地とともに育ち次代に進化
「住吉台歯科医院」のある住吉台は、日本の高度成長期に生まれた住宅団地だ。かつてはリンゴ畑の丘陵地で野生動物も多く、今でも自然豊かな住宅街である。開業当時は団塊世代後期の方々が居住され、町とともに歴史を刻んできた。近年は第一世代が隠居され、その子供たちが帰ってきたり、新たな転居者が現れたりして町も変わりつつある。そのような中で、二代目の貴志先生がスタッフに加わったのも、町とともに生きる地域密着歯科医院の姿そのものである。
「この医院は歯科医院らしくない一面があるのかもしれません。地元の家業という感じで、古くからの患者さんは実家に帰ったようにくつろいでいらっしゃるんです。それが本当に嬉しいです。私たちも地域のために家族一致団結して、地道に長く続けていけるように頑張ります」と事務長の正志さん。
患者さんにとっては歯科医院に行くという緊張感がなく、名実ともにアットホームな「住吉台歯科医院」。町の人たちに愛され続ける医院には、町の人たちのために予防意識を普及させたいという強い思いが満ちていた。