地域住民のために健康の要石としての医療施設をめざす
駅前から住宅街の中に移転開業した「塩見歯科医院」。
口腔外科出身の院長は、あくまでも医療施設として本質に基づいた医療提供をしていきたいという。
駅前から落ち着いた文教地区へ移転開業
大天守登閣の保存修理も完了した世界遺産の姫路城。別名を白鷺城と呼ばれる美しい城の西側に位置する文教地区に「塩見歯科医院」がある。近くには兵庫県立大学や小・中学校があり落ち着いた町並みが広がっている。
もともと「塩見歯科医院」は、姫路駅前のテナントビルで塩見周平先生の父親が開業されていた。前院長が引退後は妹さんが診療を続けていたが、子育てなどの事情から塩見先生が引き継ぐことになった。
「専攻が口腔外科で、卒業後は大学病院や都立病院などで診療していました。口腔外科を学ぶには病院勤務がよいと思い、正直なところ開業医になることは考えていませんでした。ただ、後を継いだ妹が常勤できないこともあり、院長として5年前に戻ったのです」と塩見先生。しかし、駅前の医院はテナントビルの2階で、患者さんの通院に負担が大きいことや、機器の導入や取り回しにスペースを確保できなくなったことから2015年3月に現在の場所に移転開業した。
ユニバーサルデザインで完全バリアフリーの診療所はゆったりしている。障害者や有病者の歯科診療も行うので、ユニットまでストレッチャーで入れる空間を確保した。
医療として本質に基づいたクオリティーを
「移転1年で、まだ設備的にも不十分です。今後、生体モニターなどの機器を追加していきたいのでシンプルで広い空間にしています」
診療空間はパーテーションで仕切られた診療室と個室の診療室(外科処置室)が用意されている。ユニットは全4台でイオムレガロが設置されている。
塩見先生が開業医として目指されるのは“evidence”に基づいた医療である。「高齢社会の中で基礎疾患をお持ちの患者さんもいます。私たちは全身の一部として口腔疾患に対応するのですが医科との連携も時には必要です。そのようなことを含めて医療として本質に基づいたクオリティーを提供することが大切だと思います」と塩見先生。
そのためにも、先生は5つのSを実践される。まずSafety、感染予防の徹底と安全治療である。Skill-up、治療技術研鑽のため各種の研修は欠かさない。そして、Satisfaction、患者さんが満足する治療の提供と、Sincerityのまごころ、Smileである。
「安全な治療のためにもCTとマイクロスコープは必需品です。スマートPan機能により、センサを付け替える必要がなくなった高機能・高品質なプロマックスMIDは、優れた撮影能力と描画力があり、小児や車椅子に乗った方でも撮影が可能です。画像もきれいで説明しやすく、患者さんからも理解しやすいと評判なのでとても満足しています」
地域住民の健康の要石として
塩見先生は、お話を伺っている間に何度も「ごく普通の医院ですよ」と言われる。ただ、お話ししていく中で、原理原則に基づいた医療というものは、本来クオリティーが高く、歯科-医科を問わず医療の普遍的な本質であるという恩師の教えが伝わってくる。
「口腔は“食べる・呼吸をする・話しをする”という機能のみならず、“心理的な影響”にも大きく関与する健康維持に欠かせない領域です。患者さんに寄り添いながら健康のベースをしっかりと作っていただきたいと考えています。そのために、スキルアップや人材の育成、医科との交流に力を入れて、高いクオリティーを維持し、地域医療の要石のようになりたいと思います」
歯科医院ではあるが歯科だけに固執するのではなく、あくまでも患者さんの健康を支える医療施設として発展していきたいと言う。常に笑顔を絶やさず、優しく語られる塩見周平先生。移転開業して1年「これからが本当の地域医療のスタートです」と最後に語られた。