地域に向けて大きく窓を開くやさしい光にあふれた歯科医院
診療室ではいったいどのような治療が行われているのだろう。
患者さんが持つ歯科医院に対する安心感には設計も大きくかかわっている。
患者さんのために開放的な設計にこだわった歯科医院が新規開業した。
リゾートエリアの新しい住宅街で新規開業
首都圏から東北新幹線でほぼ1時間。日本を代表するリゾートエリアの栃木県那須塩原市。自然が豊かで交通の便も良いことから、定年後のセカンドライフの地として人気も高まっている。
そんな那須塩原市の中でもとりわけ宅地化の進む西那須野地区にて、2018年4月16日に「たなべ歯科クリニック」が新規開業した。院長は田辺理彦先生、副院長は田辺瑞穂先生のご夫婦、そして5名のスタッフを共にしたスタートである。
田辺理彦先生は、開業直前まで老人保健施設を併用した福島県磐梯町の医療センターで、歯科長として主に高齢者の治療に従事されてきた。奥様の田辺瑞穂先生は、千葉県にある医科大学総合病院の歯科で歯周病治療を中心に勤務されてきた。
「勤務医を続けるのか、開業するのか迷いましたが、夫婦一緒に地域医療に貢献していきたいと、開業することにしました。じつは、那須塩原には縁もゆかりもなかったんです。ただ、私の実家が青森ですので、新幹線でつながっていることや、妻の地元が群馬県で近いということもあり、親しみはもっていました。それと、将来は那須のような地で地域医療に従事したいと思っていましたので、この地を選びました」
何も隠さず院内の雰囲気が分かる開放的な診療所
クリニックが建つ場所は西那須野地区でも新しい住宅街で、すぐ近くには大学病院や在宅ケアセンターもある地域の医療拠点の一角でもある。
「この近くには地域の拠点となっている大病院があるなど、多くの方が目の前の道路を利用されています。医院の中の雰囲気を知ることができるようにガラス窓を大きくし、開放的なクリニックにしました。気軽に立ち寄ってもらいたいと思って設計しました」と院長。
道路に面した大きなガラス窓は、外からでも院内の様子をうかがうことができ、エントランスからは、中庭を通して診療室の様子を見わたせる。「とにかく何も隠さない診療室にしたかったのです。診療室と待合室を仕切る扉もこだわってガラスにしました。閉鎖的な空間から生まれる患者さんの不安を解消したいと思い、どこからでも院内の雰囲気がわかるようにしています」。
中庭に面した診療室には4つのブースが設けられている。各ブースは低いパーテーションで仕切られ、患者動線とは横格子の仕切りでセパレートされた半個室空間となっている。ユニットは「イオムレガロ」、X線撮影装置は「プロマックス3D Plus」、消毒・滅菌コーナーにはウォッシャーディスインフェクターの「メラサーム10」、クラスBの滅菌器「バキュクレーブ31B+」、そして最新の炭酸ガスレーザー「ジーシー ガスレーザー」などジーシーの製品が多く導入されている。「以前からジーシーの材料を愛用していましたので、その信頼性から機器もジーシー製にしました。デザインの良さとメンテナンスでの安心感も持っていました」。
保険治療を中心に長く愛される歯科医院をめざして
日々の診療においては、地域に根ざした医療を地道に提供することが第一と田辺先生は語られる。
「あくまでも地域医療に貢献することを第一にしています。基本的には保険治療を中心にお子さんから高齢者まで幅広く末永く愛されるクリニックをめざしています。地域の方にお話を伺うと、歯科医療に対する意識は比較的高く、先端医療を望まれる方もいます。ですから、高度な専門分野は大学病院や専門医と連携して、ここを拠点に患者さんの要望に応えるようにしていきたいと考えています。また、高齢者の摂食嚥下障害への対応も行ってきましたので、地域の施設と連携してできることを追及していきます」
いよいよスタートした「たなべ歯科クリニック」。田辺先生のがっちりとした大きな肩が担う地域医療の未来がとても楽しみである。
田辺理彦先生考案のシンボルマーク。
患者さんの気持ちと大切な歯に対して、(1)寄り添う、(2)予防、(3)よろこび、(4)良い歯という「4つの“よ”」をもとにした信条が、「幸せの四葉のクローバー」にかけて込められている。