富山から日本の歯科医療の未来を見つめるスタイリッシュな歯科医院
富山市から北東に約20km、蜃気楼とホタルイカの町である魚津市で2013年に「ほんごう歯科診療室」が生まれた。
日本の歯科医療を熱く見つめる高島先生の姿勢は着実に患者さんの意識に浸透してきた。
温かくモダンなデザインの診療空間
富山県魚津市にて開業5周年を迎えた「ほんごう歯科診療室」。院長は補綴を専門とされてきた高島浩二先生、副院長は奥様で矯正医の高島佐恵子先生。院長は埼玉県出身だが、奥様のご実家近くであるこの地に開業された。
「開業するなら東京近郊か富山で、とずっと考えていました。娘が生まれたことをきっかけに、思い切って妻の実家が近いということで富山県魚津市で開業することに決めました」と高島先生。
「ほんごう歯科診療室」はモダンに設計され、診療室全体を覆う重厚な床材にまず目を奪われる。高い吹き抜けの待合室、ガラスと鏡が多用された空間は開放感にあふれている。5つの診療ブースは、半個室で奥の1ブースだけ完全個室に設計されている。ユニットはイオムレガロを導入、個室診療室にはマイクロスコープが装備されている。印象的なのがブースごとに設けられている照明だ。
「居心地が良くて温かみがあること、確かな治療技術をイメージしてデザインしてもらいました。また、診療室は私たちの生活の場でもあります。スタッフには心地良い職場環境にすることが大切だと思っていました」。都市圏ではなかなか実現できないゆとりの空間を、この地で実現できたという高島先生の熱い思いが伝わってくる。
予防意識の浸透と精密な治療の提供
開業時はユニット3台でのスタートだったが、想定していた以上の患者さんが来院され半年後には2台増設された。
「利便性の良さと院内デザインの評判からか、初めから多くの患者さんに来ていただきました。本当に嬉しかったですね。でもスタートしてみると、私の診療方針が浸透していなかったこともあり、大変でした。今では徐々にですが私の考え方もスタッフに浸透し、しっかりしたチームワークが築けています」
高島先生は、患者さんへのカウンセリングを重視される。「初診の診査・診断の後には、全ての患者さんとカウンセリングルームでじっくり治療計画を決めてからスタートしていきます。全ての選択肢を提示して、患者さんが望まれる治療を提供する。そのことを大切にしています」。治療計画を立てる上では、“自分自身の口が治療される”と思って考えることを心がけているという。
高島先生のポリシーは、健康長寿のためにできるだけ歯を残し、精度の高い適切な治療の提供のために妥協しないということである。そのためにも、スタッフの充実と技術の研鑽は欠かせない。
歯科医院を人々の生活の一部にしたい
「開業当初、患者さんは問題が起きたら歯科医院に来るという感じでした。しかし、これからは予防で歯科医院に行くことがあたり前となるように、患者さんの意識を変えていきたいと思っています」
現在では患者さんの意識も少しずつ変わり、メインテナンスの患者さんが全体の半数近くに増えた。しかし、一方ではまだ治療を必要とされる患者さんも多い。「そのためにも技術的な研鑽は必要です。地方だと勉強会にも行きにくいのでは、と思われがちですが、交通の便や情報網も充実してきたので、もう大都市との差は感じていません。どこでもいつでも勉強はできます」。
最近、口腔内計測から補綴修復物の設計・加工まで一元管理が可能なCAD/CAMシステムPlanmeca FITを導入された。「補綴修復物の精度が高く、治療期間も短くなるので患者さんに喜ばれます。この分野を医院の柱の一つにしていきたいと考えています」。
埼玉県で生まれ育ち、富山県魚津市で開業5年目を迎えた高島先生。日本の歯科医療の未来を熱く語ってくれた。