地域密着医療を盛り上げたいと沖縄でスタートした歯科医院
沖縄県浦添市で新規開業した「おかむら歯科医院」。
院長は大阪で生まれ、大阪で歯科を学ばれた岡村健司先生。
沖縄の離島診療を経験した後、新たな歯科医療人生を沖縄でスタートさせた。
伊江島での離島診療を経て浦添市で開業
沖縄県浦添市は、那覇市の北に隣接する沖縄県第4の都市である。ここは琉球王朝発祥の地で、12世紀から14世紀には浦添城を中心に琉球王国の首都として栄えた。那覇市の中心から車で約15分という交通の利便性から、現在は人口増加が著しく年々住宅街が広がっている。2017年11月、浦添市の中心近くに「おかむら歯科医院」が開業した。
院長の岡村健司先生は大阪出身で、沖縄には縁もゆかりもなかった。
「大学時代からへき地医療に興味があり、なかでも沖縄の離島で診療したいと強く思っていました。大学院卒業後は離島診療を行っている沖縄市の歯科医院に勤めました。そしてその歯科医院の紹介もあり、離島診療の経験を積むために伊江島の伊江歯科医院に勤務しました」。伊江島は本部(もとぶ)半島から北西9kmの位置にある人口約4,000人の離島である。
伊江歯科医院勤務時代は、岡村先生が歯科医療を一人で提供されてきた。「学生時代には、将来の目標について深く考えることが多かったです。離島やへき地に行きたいと思っていましたが、一人でどれだけのことができるのだろうかと悩み、さらなる歯学の研鑽と臨床経験を積むためにまず大学院進学を選びました。大学病院ではほぼ毎日診療していました」。
沖縄県民の歯科に対する意識を上げたい
そんな岡村先生が伊江島での勤務を終えて本島に戻ってきても、沖縄を離れる気にはならなかった。
「沖縄の患者さんの歯科意識は、まだまだこれからだと感じることが多いです。『なんくるないさ』(=なんとかなるさ。沖縄地方の方言)といった気質ですかね。だからといって、そのままにしておけないし、少しでも県民の歯科意識を上げたい。それにも増して沖縄の風土や人情が大好きになってきたのでこの地で開業することにしました」。
主要道路の交差点近くのマンション1階に「おかむら歯科医院」はある。3台のユニットはいずれもイオムレガロで、一般診療室に2台、個室の特診室に1台が設置されている。特診室にはカールツァイス社のマイクロスコープOPMI pico、そしてX線室にはProMax3Dが装備されている。
「大学は保存科だったので入局時代からマイクロスコープは使っていました。形成ひとつでも高精度に行えるので手放せません。またX線機器については、3Dでないと得られない情報もあるので、導入にためらいはありませんでした」。治療後に動画や3D画像とともに患者さんと一緒に確認することで、少しでも歯科に興味を持ってもらえれば、と語られる。
患者さんと同じ目線で、地域密着の歯科医療をめざす