未来に向けて新たな一歩を踏み出したレトロモダンの明るいクリニック
五木寛之の『青春の門』や民謡の『炭坑節』で知られる筑豊の中心に位置する飯塚市。
ここに30年以上にわたって地域から親しまれてきた歯科医院が、新たな代となり再出発した。
筑豊の中心都市で再開したランドマークのクリニック
福岡県の中心部に位置する筑豊地域の飯塚市。かつて、ここは石炭エネルギーの供給地として日本一を誇る炭坑の町だった。明治の石炭王と呼ばれた伊藤伝右衛門が歌人柳原白蓮との波瀾万丈の恋物語を展開したのもこの地である。当時の繁栄をしのぶ近代遺産として旧伊藤伝右衛門邸が今も市内に残されている。
そんな旧伊藤伝右衛門邸からほど近い住宅街に、重厚でレトロモダンな建物の「秋元歯科クリニック」がある。1985年に建造されたクリニックは、前院長が研修でドイツを訪れた際、そこで魅了された建物をイメージにしているという。グリーンの窓枠が印象的な洋館づくりの歯科医院は、地域のランドマークにもなっていたが1年近くの休診が続いていた。
2017年4月5日、新たに生まれ変わった「秋元歯科クリニック」がリニューアルオープンした。院長は先代であったお父様の後を継いだ秋元喜文先生。レトロモダンな外観を生かしつつ新しい時代のクリニックとして、院内は大きくイメージを変えた。
完全バリアフリーにして導入機器も一新
秋元先生は大学卒業後、勤務医として研鑽されてきた。「10年ほど修行してから実家を手伝おうと考えていたのですが、少しだけ早くなりました。先代はもともと矯正を中心に治療していたのですが、近年は一般歯科で患者さんも高齢の方が主でした」と秋元先生。
かつては古い造りで高齢の患者さんにも不自由だった院内を、代替わりをきっかけに完全バリアフリーにして、ゆとりを持たせたレイアウトに変更した。かつての院長室はオペやカウンセリングが行える個室の特診室とした。ユニットが3台並ぶ一般診療空間はガラスで仕切られた明るい半個室空間にした。
「改装にとりかかって、あらためてすごい造りの建物と実感しました。躯体や構造が頑丈で大変でしたが、これからの歯科医院のイメージに合わせて通路や診療空間も余裕を持たせてレイアウトしました。車椅子の患者さんも無理なく動けます。ユニットは勤務医時代から使いやすいと気に入っていたイオムレガロに切り替え、X線も新しくプロマックス3Dを導入しました。また、奥のスペースは室内ガレージとなっていますが、ユニット2台分のスペースがあります。将来的なユニットの増設を考え、今回の改築に合わせて配管の準備も行っています」
地域ナンバー1の審美歯科クリニックをめざす
再オープンしてから、かつて来院されていた患者さんも徐々に戻り始め、そして新たな患者さんも増えてきているという。
「不安もありますが、今は期待のほうが大きいです。これまでに学んだことを自分なりに地域に提供していきたいと思っています。審美治療でもMIコンセプトを中心にできるだけ削らない治療を提供し、治療後こそ本当のスタートとしてメインテナンスの意識を地域に根づかせていきたいです」
再スタートしたばかりで、まだ無我夢中だと語られる秋元先生。奥様で歯科衛生士でもある沙友里さんとの二人三脚で、アットホームな地域ナンバー1の審美歯科クリニックを目指す「秋元歯科クリニック」の新たな第一歩が始まった。