ホワイトニングの色戻りと
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ホワイトニングの色戻りと
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皆さん、こんにちは。春になると花見客で溢れかえる中目黒、その駅前で「デントゾーン近藤歯科」を開設している近藤隆一です。私は、1990年に米国歯科審美学会で歯のホワイトニングに出会いました。その際、米国の歯科医師や企業から日本人へのホワイトニング普及や器材開発に携わらないかと提案を受けたことがきっかけとなり、歯科医師・歯科衛生士向けの専門書やガイドブックを執筆し、講演会の依頼を引き受けるようになりました。そして、全国各地の学術講演会に招かれた際には、毎回必ず「歯は黄色味を帯びている方が自然、という固定概念は捨てましょう」と提案し続けて参りました。日本での歯のホワイトニングはそれから30年以上の年月を経て、今ようやく一つの分野として認知され、一般の方にも知られる存在となったと感じています。1990年に生まれた人は、現在30代半ばになっています。長かったですね。しかし良い事づくめではなく、ホワイトニングという言葉の独り歩きも始まりました。さまざまな誇大広告やフェイク情報も発信されるようになり、歯科医療従事者ではない一般の方には見分けがつかない状況になっているのではないかと心配しています。
近藤歯科では「もっと歯を白くキレイにしたい」「加齢や生活習慣による黄ばみが気になる」というお悩みをお持ちの方に、歯を削らずに白くする方法として医療ホワイトニングによる治療を提案しています。とはいえ近藤歯科といえども、その白さを永遠に持続させることはできません。飲食などで歯の表面に着色汚れがつくと「色の後戻り/リバウンド」が起こります。そこで今回は、リバウンドの対策となる「タッチアップ(再ホワイトニング)」についてお伝えします。先に書いてしまいますが、このコラムでは「好印象をふりまく羨望の口元」のための秘訣をお教えします。
まず、歯が汚れて見える原因を2つに分けてご紹介します。
1つ目は歯の表面に付着した着色物の影響で、これはオーラルケア不足(お口のお手入れ不足)や、着色しやすい食べ物・飲み物が好きかなど後天的要因に影響されます。
2つ目は歯の内部、歯質(ししつ:エナメル質と象牙質と呼ばれる歯を構成する組織)の色です。こちらは生まれながらの先天的要因と、加齢による変色、過去の歯科治療などが複雑に絡み合って決まります。
そしてここが最重要ポイントになりますが、歯科医師や歯科衛生士による医療ホワイトニングは2つ目に挙げた「歯の内部の色を改善させる」ことを目的とした治療です。そして、国家試験をパスしたプロフェッショナルだけが扱うことができる医療機器の薬剤を用いて行います。この医療機器は安全性や有効性、安定した品質、副作用などのリスクについて、厚生労働省と専門家が協議と審査を充分に行って承認されています。あえて記載しますが、「歯科医院以外で行うホワイトニング」は、表面の汚れが部分的に取り除けるだけです。そして「歯科医院で行うホワイトニングと同等の効果・同じ成分」等と宣伝している商品やサービスも見受けられますが、もしそれが本当であれば薬機法に違反している事になります。
(医療ホワイトニングと非医療ホワイトニングについての情報はこちら)
医療ホワイトニングを行った後に再度医療ホワイトニングを行うことを、歯科用語で「タッチアップ」と呼んでいます。タッチアップでは、初めて医療ホワイトニング治療を受けた時よりも「早く」「少ない回数」で白さを復元する効果がありますが、残念なことにあまり知られていません。タッチアップ(Touch Up)の日本語での意味が「わずかな調整」であることからも、その手間の少なさがイメージできると思います。ここからは、「タッチアップの方法」「タッチアップまでの期間を延ばすヒミツ」「ホワイトニング歯みがきペーストについて」紹介します。
最初に受けたホワイトニングが「オフィスホワイトニング」の場合は「オフィスホワイトニング」を、「ホームホワイトニング」の場合は「ホームホワイトニング」でタッチアップを希望される患者さんが多いようです。これは、医療ホワイトニングではそれぞれの患者さんの希望や症状にあわせた方法を歯科医院側が提案し、選択されていることが影響しています。もしも「気軽に・低価格で・効率よく」タッチアップしてみたいという場合、近藤歯科では「ホームホワイトニング」を提案することが多いのですが、それにこだわることなく、皆さんの条件や希望に応じた提案・診療をしてくれる歯科医院に相談してみてください。顔なじみの先生なら、気軽に応じてくれるはずです。
ホワイトニングの白さを維持する一番よい方法、それは「色戻りを感じる前にタッチアップを行う」ことです。禅問答のような回答ですが、年に数回程度のタッチアップを行うことで更に白さが増して長持ちするように感じることができます。ホワイトニング以外の方法としては、歯科医院で定期的にクリーニングを受けることもおすすめしています。歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアにより、自分では落とすことのできない特定個所の着色や細菌の塊(バイオフィルム)が除去できるため、タッチアップの間隔を長くすることができます。
反復しての記載となりますが、街角の美容サロンで提供されるようになったセルフホワイトニングというサービスは、歯科医院が提供する医療ホワイトニングやクリーニングとは全くの別モノです。当然ながらセルフホワイトニングは医療ホワイトニングのタッチアップとしても効果が乏しく、自己投資にもなりません。一方で、名前や方法が似ているためか勘違いする人々が増えており、歯科医療関係者の心配の種は尽きません。更には前述のとおり、医療用と同じ成分のホワイトニング剤を使っているとアピールしているセルフホワイトニングは「怪しい」と思った方がよく、皆さんは惑わされないよう、ご注意ください!
ご自身でホワイトニングの白さを維持する方法としては、着色除去効果がある歯みがきペーストの使用が挙げられます。ドラッグストアやWEB広告などで多くの製品が紹介されておりますが、2種類のタイプに分類されるので、購入する際は賢く選択してください。
1つめは、研磨材の力で歯の表面をゴシゴシと削りながら着色を落とすタイプで、私は古典的な歯みがきペーストと呼んでいます。
2つめは、化学的な仕組みで汚れを浮かせるタイプで現代的な歯みがきペーストといえます。歯科医院ではこちらの歯に優しい歯みがきペーストを販売していることが多いと思います。多彩なフレーバーや薬効成分の歯みがきペーストが販売されているので、気になる方は歯科医師や歯科衛生士、受付スタッフに相談してみてはいかがでしょうか?
ちなみに近藤歯科でも、患者さんの希望や目的を聞いて歯みがきペーストを提案しています。「歯の着色汚れが気になる」「ホワイトニングの効果を長持ちさせたい」という方には炭酸カルシウム成分で汚れを浮かして除去するタイプの歯みがきペーストをおすすめしています。着色除去効果の高い歯磨き粉は毎日1回の使用が望ましいですが、週に一度のペースで使うだけでも白さが長持ちします。個人的な意見ですが、セルフホワイトニングのサロンに行く手間と費用を考えたら、このような歯みがきペーストを使った方が「賢い選択」ではないでしょうか。お金も節約できるはずです。
〇 たっぷり(約1g)ペーストは
× 少なめ(約0.5g)
※前歯部を30秒間
▼
[使用前]
▼
[1回目]
▼
[5回目]
1回から効果が実感できる
[使用前]
[2週間後]
[4週間後]
参考:
患者希望価格: 1,980円(税込)
継続してタッチアップを行うことと、化学的な仕組みで汚れを浮かせる歯みがきペーストを利用することで、輝く白い歯が長持ちします。「好印象をふりまく羨望の口元」を体感することは自信にも繋がり、毎日の生活によい影響があると多くの患者さんの変化をみてきた歯科医として確信しています。医療ホワイトニングを通じて、素敵な毎日をお過ごしください。そして、このコラムに興味がありそうなご家族や友人がいたら、ぜひ教えてあげてください。
医療法人社団
理事長
近藤 隆一先生
所属学会等
American Society for Dental Aesthetics フェロー
International Academy of Dental Facial Esthetics フェロー
American Dental Association 会員
日本歯科審美学会 代議員・顧問
日本歯科大学生命歯学部 非常勤講師
略歴
1973年
日本歯科大学卒業
1981年
近藤歯科開業
1988年
日本大学医学部病理学 医学博士号受領
国際講演
1996年
Global Restoratives Symposium / USA 日本代表
1998年
Dentists of the World / Germany 日本代表
2001年
Korean Bleaching Society / Korea 招待講演
2001年
Indonesian Cosmetic Dental Society 招待講演
2003年
Indian Dental Association Mumbai / India 招待講演