材料開発職
接着材料
この分野では、口腔内という接着にとっては不利な環境(唾液、呼気、血液などの阻害因子が常にある)でも適切に機能する各種接着機能を有する製品の研究開発を行います。
また、接着させる相手は、歯牙などの口腔内の硬組織・軟組織含めて多岐に渡ることからも、製品開発としてのモノづくりだけでなく、新規成分の研究もおこないます。
◆求められるスキル:化学の知識(有機合成化学、触媒化学、高分子化学、生化学)
◆先輩社員の専攻(一例):応用化学、生命科学、工業化学
充填材料
歯のむし歯部位を削り,適当な材料で修復することを充填といいます。
口腔内はとても過酷な環境下(熱い・冷たいモノ,酸性の強いモノ,硬いモノを食べたり飲んだり)にあります。そのような環境下でも長期間安心して使用できる充填材料の研究・開発を行います。
充填材料は主に,コンポジットレジン,グラスアイオノマーがあり,その製品開発にはベースとして,光重合や化学重合などモノマーの重合反応の研究,ガラスフィラーの組成研究や表面改質技術,再石灰化,抗菌性,各種分析機器を使った解析など,幅広い分野の技術を応用しています。
◆求められるスキル:基本的な化学知識,モノ作りに対する熱意,主体性など
◆先輩社員の専攻(一例):応用化学、生命化学、物質工学など
再生医療材料
化学・生物学・歯学・医学をベースとし、医工学的見地より歯科の再生医療で用いる製品(骨置換型人工骨、軟組織再生材料、成長因子組合せ医療材料)の研究開発を行います。
国内外の大学と連携した研究も行っており、アカデミア発の新技術を活用した医療材料の創出も行っています。
開発業務では、基盤技術の確立、各種生化学的評価、臨床医との意見交換、規制当局とのディスカッション、専用工場での製品立ち上げなど幅広い業務を行います。
また、開発成果を国内外の学会で発表する機会も多いため、世界中の臨床医、研究者と議論できる機会があり、新技術の開発研究に役立てています。
◆求められるスキル
化学や生物学の知識および考察力、歯学や医学への興味
◆先輩社員の専攻(一例):応用化学、応用理工学、生命医科学など
予防材料
歯科の予防・診断・審美分野の製品である歯磨剤,歯ブラシ,検査診断製品,ホワイトニング製品等の研究開発を行います。
歯周病・う蝕・小児歯科・老年歯科・検査・審美歯科等に関連する幅広い製品群を取り扱っており,国内外の歯科医療従事者の方々とのディスカッションにより製品開発を進めます。
製品の配合検討や評価を行う通常の実験室に加え,微生物実験室を備え,培養機器,PCR等の遺伝子研究機器も揃え,化学実験だけでなく口腔内細菌に関するwetな研究開発が可能な環境も整えています。
◆求められるスキル:主体性(読み取る力,考える力,伝える力),柔軟なコミュニケーションスキル
◆先輩社員の専攻(一例):有機化学,生体情報,医療材料・機器工学, 歯科衛生学など
歯冠材料
この名の通り「歯の冠」となるべく材料の開発を行います。例えば「入れ歯に使用する人工歯」「むし歯の部分を削り,残った土台部分に被せるクラウン」「歯科用インプラントに装着する補綴装置」などを指し,材質はセラミックスや有機無機複合(コンポジット)材料が用いられる場合が殆どで,従来の「技工士の手作業により用いられる材料」だけでなく,最近では歯科技工のデジタル化に伴い,切削加工用のセラミックス材料又はコンポジット材料の研究・開発も積極的に行っています。
また,材質のみでなく,色調も重要な要素となります。
◆求められるスキル
ロジカルシンキングによるアプローチ(方法の構築,実践・評価する力)
◆先輩社員の専攻(一例):材料工学,応用化学,工業化学,有機合成,無機化学,高分子化学,生化学など