志賀 博、小林義典
東京都歯科医師会雑誌 第59巻 第9号 2011年9月
歯科臨床は、損なわれた咀嚼機能の回復とその維持を主な目的として標榜してきたが、肝心な咀嚼機能の診断は、一般に主観的または経験的な評価に拠っているのが現状である。もちろん、食品摂取のアンケート調査、咀嚼能力、咬合力、咬合接触面積、咀嚼筋筋活動、咀嚼運動などの分析が試みられ、少なからぬ成果も報告されているが、操作や分析の煩雑性、装置の経済性、あるいは分析の妥当性や信頼性の面などでさらなる検討の余地が残されている。 |