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同じ硬質レジン歯をコーヌス・クローネとフルデンチャーに用いて咬合面の経年変化を比較してみると、前者の方がきわめて速い速度で変化していくように感じられる。
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この症例は対合歯がフルベイクタイプのポーセレンであるため当然と言えば当然の結果である。しかし、この対応策として金属に置換したとしてもたぶん同じような結果を招くであろう。
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陶歯は耐摩耗性に優れているが、衝撃力に対して弱いため術後経過の中で破折トラブルを多く目にすることがある。
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術後経過の中で時として理解し難い変化を及ぼしてくることがある。この症例は対合歯も同じ硬質レジン歯を使用した義歯が装着されているのだが、上顎の人工歯だけがおかしな変化を及ぼしている。エナメル層とデンチン層の材質に大きな違いはないと思うのだが、舌側咬頭周辺のエナメル層だけが極端に摩耗している。また、それは咬合接触しそうもないところまで摩耗している。このような問題は人工歯製造工程上なんらかのミスが波及した結果、起きたのではないだろうか。ちなみにこの人工歯はジーシー製品ではない。
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硬質レジン歯の硬さは物性上確かに向上していると思われる。しかし、支台装置脚部との兼ね合いで人工歯基底部アクリルレジン層が減少していくにしたがい、耐衝撃性が小さくなり破折しやすくなる。
リコール時に患者さんに義歯の感想を聞いてみると、「何でもよく噛める」という言葉がよく返ってくる。この返答は術者にとってうれしいことではあるが、その先をよく聞いてみると「えっ」と思うことが時としてある。梅干しのタネ、氷、魚の骨・・・・。いくらリペアーボンドIIにより部分的な修理が可能となったとしても、義歯を装着していることを忘れかけた患者さんの食生活上の再注意を促さない限り同じ結果を招いてしまうことは言うまでもない。