日本は未曽有の長寿社会となりましたが、一方では寝たきり率も世界一です。
単なる延命ではなく心身ともに健康で、心豊かな老後を送ることへの希求が一段と高まっています。
咀嚼機能(よく噛むこと、顎を動かすこと)が口の中の健康のみならず全身の健康にも影響を及ぼすことが指摘されています。
例えば、咀嚼は脳を活性化し、記憶の中枢である海馬の細胞の働きをよくして、痴呆や老化防止に役立つことが科学的に実証されつつあります。
また、咀嚼により脳内の神経ヒスタミンが増加し、満腹中枢を刺激して過食を防ぎ、また体熱産生により脂肪の消費を促して結果として肥満の防止に役立つと考えられています。
さらには、唾液の分泌を促し、免疫力増強や活性酸素の抑制に効果があることが知られています。
このような咀嚼の効用を引き出すためにも、口の中に痛みや不具合があってはなりません。
具体的には歯周病、むし歯、顎関節症の症状などがあってはいけませんし、合わない入れ歯や不良な詰め物も障害になります。
一方では、歯周病やむし歯の存在はさまざまな全身疾患のリスク因子になり得ることが解っています。
しかし、これらの口の中の病気の多くが生活習慣病の側面をもっていますので、早期にその不具合を見い出して、早期に治療することが大切です。
また、いつもご自分の歯や口の中に関心を持って、一年に1度か2度は歯科医院を訪れて健康チェックを受けるのがよいでしょう。
その際、このチェックリストがお役に立つと思います。
日常、忙しさにかまけてとかく忘れがちですが、たまには歯とお口の健康のチェックは如何でしょうか。
さあ、一歩前に踏み出しましょう。