「第28回日本接着歯学会学術大会」が開催されました

  1月23日(土)・24日(日)の両日にわたり、歯学部が置かれていない都市としては国際接着歯学会を除くと初めての試みとして、島根県松江市のくにびきメッセ国際会議場にて「第28回日本接着歯学会学術大会」が開催されました。
  今回は、「歯科接着技術の日常臨床への定着をめざして」をメインテーマに、特別講演、シンポジウム2題、口演発表21題、ポスター発表19題、市民フォーラムが行われました。
  大会長は、大阪大学大学院歯学研究科顎口腔咬合学分野の矢谷博文教授でした。

  特別講演は、大会長の矢谷先生を座長に、セメダイン株式会社営業統括部の新井康男先生が、「接着のしくみと最新の接着技術動向」という演題にて講演されました。接着の理論やしくみが完全に解明されていない中で、接着剤の「ぬれ」、被着材の表面性状、分子間引力について言及され、更に超耐熱性、導電性等の機能性が付与された最新の接着剤についてもご紹介いただきました。

  シンポジウムIは、日本大学歯学部歯科保存学I講座の宮崎真至教授を座長に「接着界面の最前線」をメインテーマに、3名のシンポジストが登壇されました。「歯質接着界面の形成メカニズムと機能について」という演題にて、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体材料学分野の鈴木一臣教授が、「セルフvs.エッチアンドリンス:世界のデファクトスタンダードは? 日本はガラパゴス化?」という演題にて、北海道大学大学院歯学研究科歯科保存学教室の佐野英彦教授が、「オールセラミックス修復における接着界面を再考する?CAD/CAM・ジルコニア・ファイバーポスト+レジンコアを応用した歯冠修復の勘どころ?」という演題にて、東京都・井荻歯科医院ご開業の高橋英登先生がそれぞれご講演され、その後活発な質疑が行われました。

  シンポジウムIIでは、東京歯科大学クラウンブリッジ補綴学講座の佐藤亨教授を座長に「接着を生かした支台築造」をメインテーマに同じく3名のシンポジストが講演されました。「間接法による支台築造」という演題にて、鶴見大学歯学部歯科補綴第ニ講座の坪田有史先生が、「直接法による支台築造」という演題にて、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学分野の三浦宏之教授が、「臨床疫学の観点から」という演題にて、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科インプラント再生補綴学分野の窪木拓男教授がそれぞれ講演され、その後活発な質疑が行われました。

  なお、次回大会は、2011年2月5日(土)・6日(日)に岡山大学創立五十周年記念館にて、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科保存修復学分野の吉山昌宏教授を大会長に開催される予定です。

くにびきメッセ

くにびきメッセ

講演会場

講演会場

ポスター会場

ポスター会場

展示会場

展示会場