「GC友の会 学術講演会 東京シンポジウム」を開催しました

  5月23日(日)に、東京国際フォーラム・ホールB7にて、「GC友の会 学術講演会 東京シンポジウム」を開催し、約450名の参加登録があり、たいへん盛会でした。
  今回は、日本大学総合研究大学院教授の小川直宏先生の基調講演をはじめ、鶴見大学歯学部探索歯学講座教授の花田信弘先生をコーディネーターとして、神奈川県川崎市でご開業の須貝昭弘先生、東京都千代田区でご開業の武田孝之先生、東京都新宿区歯科診療室新宿NS顧問の宮地建夫先生、東京都新宿区でご開業の矢崎秀昭先生の4名の方々にご講演をいただきました。

  最初に、小川直宏教授より、「あなたが救える少子高齢社会:問題点と切り札」と題しての基調講演がありました。日本のこれまでの少子化・長寿化現象が家計・企業・国家にどのような影響を与え、今後はさらにどのような経済社会問題が新たに出現するかを中・長期的に展望し、それらの変化が医療・歯科を含む社会保障制度の分野にどのような影響を与えるかについてご講演いただきました。

  次に、コーディネーターの花田信弘先生より、4名の先生の方々をご紹介いただきながら、「病因論と健康生成論の適度なバランス感覚の時代」と題してのご講演がありました。少子高齢社会の医療においては病因論と健康生成論の両者が必要であること、歯科医療においてもこの両者を患者の年齢やニーズに応じて使い分けるバランス感覚が大切とのことでした。

  次に、須貝昭弘先生より、「子供たちを健全な永久歯列に導く」と題して、ご講演いただきました。健康な高齢者を多くしていくにはまずは子供達を健全な永久歯列に導くこと、すなわち永久歯が生えそろった時点でう蝕経験が無く歯列が正常な状態にしていくことが重要だと考えているとのことでした。

  午前の部の最後に、武田孝之先生より、「インプラント臨床を通して経験したリスク評価と臨床対応 成年期?壮年期、そして高齢期にむけて」と題してのご講演がありました。機能回復後の口腔機能安定のためには、歯の喪失原因を治療法に反映させることが不可欠であるが、従来型の臨床では、欠損の重要度と補綴法に注目が集まり過ぎ、リスクを把握し予後を推測することは十分になされていない。今回、各種の検査法とその結果を反映したインプラント治療を供覧し、一般歯科臨床におけるリスク評価の必要性についてご講演くださいました。

  昼食時間をはさんで引き続き、宮地建夫先生より、「長期経過からみた欠損歯列の流れ」と題してのご講演がありました。高齢患者の歯科的状況は実に多様で個人差が大きく、その多様さは長い経過を歩んできた歯科的コースの多様さともいえる。高齢者の口腔内から、どういう状態が臨床的に許容され、どうなることは避けたいのか。もし避けなければならない結果像を未然に防ぐことが出来れば患者自身も歯科的不満や不便から解放され、高齢者への口腔ケアのあり方も見えてくると思われ、長期経過から結果像とそれに至るコースに焦点を当ててご講演いただきました。

  その後、矢崎秀昭先生より、「顎堤吸収の進行を抑制し、咬合機能を長期にわたり維持するために」と題して30年近くにわたり、十分な機能を果たしている補綴の経過などから高齢者の顎堤の保全による機能回復についての講演がありました。無歯顎における顎堤の吸収は、なぜ個人差があるのか。装着している義歯に影響があるのではないか。圧力によって骨が吸収、残存歯の状態によっても吸収し、顎堤は、歯があっても加齢とともに変化する。顎堤の持続的な吸収の進行を予防する臨床的な対応についてお話いただきました。

  最後に、本日ご講演いただいた先生方にご登壇いただき、総合ディスカッションがありました。年代別口腔のトータル管理「100歳長寿への歯科医療は?」と題して、年代別に各々の先生方にお話いただきました。須貝先生より、子供達を健全な永久歯列に導くためには、かかりつけ歯科医によるう蝕予防・う蝕治療・咬合育成によって、一生涯、口腔の健康を維持する基礎作りが必要であるとのことでした。武田先生より、インプラントを用いての出来ること、出来ないことを見極め、状況に応じてインプラントで長寿を目指したいとのことでした。

  宮地先生より、欠損歯列の流れは、過剰介入をしない方が、穏やかになるのではとのことでした。高齢者に対しては、もう一歩下がったところで、重症化させない補綴的予防の必要性について話されました。矢崎先生より、歯牙を残すのは大切であるが、年齢及び残存歯によっては、歯牙を犠牲にしてでも顎堤や患者さんの生活を守ることが大切であるとのことでした。最後に花田先生より、今回の講演に関してのキーワードをお話くださいました。

  展示コーナーでは、新製品のLED可視光線照射器「G-ライト プリマII」をはじめ、デュアルキュア型支台築造用接着性コンポジットレジン「ユニフィルコア EM」、グラスアイオノマー系仮着材「フジTEMP」の他、ナノハイブリットフロアブルレジン「MIフロー」、多目的レジン「プロキャスト DSP」、新製品の口腔内固定用常温重合レジン「フィクスピード」、光重合型レジン表面滑沢材「ナノコートカラー」、「ジーシーインプラントRe」、親水性ハイブリッドシリコーン印象材「フュージョンII」、予防コーナーでは、新製品のデンタルフロス「ルシェロフロス」、ホームホワイトニング「ティオン ホーム」、音波電動歯ブラシ「プリニアスリム」、「MIペースト」、口腔用ジェル「オーラルアクアジェル」、口臭予防洗口剤「ブレスバランス」等をご紹介し、多くのお客様にお立ち寄りいただきました。

会場全景

会場全景

総合ディスカッション

総合ディスカッション


展示ブース

展示ブース

日本歯科商社書籍ブース

日本歯科商社書籍ブース