「日本歯科保存学会 2006年秋季学術大会(第125回)」が開催されました (11/15)

 2006.11.15

「日本歯科保存学会 2006年秋季学術大会(第125回)」が開催されました

  11月9日(木)・10日(金)の両日にわたり、鹿児島市・鹿児島市民文化ホールにて「日本歯科保存学会2006年秋季学術大会(第125回)」が開催され、約1,000名の参加者がありました。
  学会では、特別講演、シンポジウム、認定研修会、口演発表61題、ポスター発表180題、臨床セッション6題が行われました。
  大会長は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻顎顔面機能再建学講座歯系組織保存学分野の鳥居光男教授でした。

  特別講演は大会長の鳥居先生の座長で、大阪大学大学院工学研究科教授の明石満先生より「バイオマテリアルは医療をどう変えるか」という演題にて行われました。そのキャリアの大半を鹿児島大学工学部で積まれた明石先生より、ナノサイエンス・ナノテクノロジーを駆使したバイオマテリアルが医療をどう変えることが出来るのかについて、ハイドロキシアパタイトを1例に挙げ分かりやすく解説いただきました。キーワードは「ナノ(0.5nm~500nm)構造制御」でした。鹿児島大学発のベンチャー企業・(株)BMTハイブリッドの社外取締役を務められており、「ものつくり屋」を自負する先生からは、研究のみに終始せず何とか新しい産業を生み出したいとの熱意が感じられました。

  シンポジウムは鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻顎顔面機能再生学講座歯系組織保存学分野助教授の長岡成孝先生を座長に「いま、長期経過観察例から学ぶこと」~ミニマルインターベンションの理念を背景として~のテーマのもと3名のシンポジストがそれぞれの立場で講演されました。
  長崎大学医学部・歯学部附属病院助教授の久保至誠先生より「保存修復学の立場から」という演題にて、カリオロジーの概念を背景としてミニマルインターベンション(MI)が保存修復学の主流になりつつある現状と、まだまだMIに関する理解が不十分なことからレストレーションサイクルに陥らないようにしなければならないとの解説を頂きました。
  東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野助教授の小林千尋先生より「歯内治療学の立場から」という演題にて、歯根破折につながるような過剰な髄腔開拡をしない歯質の削除量を最小にした歯内療法の重要性について、「割れてしまう歯は治療しない」「エンドでエンド(再治療はうまくいかない)」などインパクトのあるフレーズで示されました。
  長野市開業の谷口歯科医院谷口威夫先生より「歯周治療学の立場から」という演題にて、歯周炎が患者さん自身の自己治癒力をかなり期待できる疾患であるとの認識の元、「出来るだけ切らない、取らない、削らない」をコンセプトとした37年の長きに渉る臨床の成果の一端を披露いただきました。

  また、社団法人日本歯科商工協会からは、「歯科医療機器産業ビジョン案について」という演題の口演発表と、「歯科医療機器産業の現状と課題について」という演題のポスター発表があり、同協会会長で、弊社代表取締役の中尾眞より口演させていただきました。

  なお次回2007年春季学術大会は、6月7日(木)・8日(金)に大宮ソニックシティにて開催される予定です。大会長は、明海大学歯学部の片山直教授です。


鹿児島市民文化ホール
鹿児島市民文化ホール
会場から望む鹿児島のシンボル桜島
会場から望む鹿児島のシンボル桜島
A会場(第1ホール)
A会場(第1ホール)
ポスター会場
ポスター会場
口演発表中の中尾社長
口演発表中の中尾社長
企業展示
企業展示