「第48回秋季日本歯周病学会学術大会」が開催されました (9/28)

 2005.9.28

「第48回秋季日本歯周病学会学術大会」が開催されました

  9月22日(木)・23日(金・祝)の両日にわたり、札幌市・札幌コンベンションセンターにて、「第48回秋季日本歯周病学会学術大会」が開催され、1,500名を超える来場者がありました。
  学術大会は、特別講演、臨床特別講演、シンポジウム2題、専門医教育講演、歯科衛生士セッション、市民公開講座他が行われ、たいへん盛況でした。
  大会長は、北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座 歯周・歯内療法学教室の川浪雅光教授でした。

  特別講演では、物質・材料研究機構生体材料研究センター長で北海道大学創成科学研究機構教授の田中順三先生が「本当の組織を再生する生体材料」という演題で、現在医工連携・産学独連携で急速に研究が進展している再生医療についてお話されました。現在開発が進められている生体材料として、生体骨と類似した人工骨(アパタイト/コラーゲン複合体)があり、機械的強度、生体吸収性、生体適合性がきわめて良いなど最適化された材料であることを報告されました。また、生体親和性の高い医療用接着剤についても開発中であり、この分野の歯科的応用では北海道大学大学院の川浪教授らと共同に開発が進められていると述べられました。

  臨床特別講演では、医療法人社団川崎歯科歯周病診療所理事長の川崎仁先生が「歯周治療の長期メインテナンス症例から学ぶ」と題し、日本における歯周病学のスタート期から現在に至るまでの変遷や、臨床経験47年になられる川崎先生のメインテナンス症例から、どのようなことに気をつけるとメインテナンスを良好に保つことができるかをお話されました。また、フラップ手術でも骨再生があることなども多くの症例を示しながら報告されました。

  今年度からスタートした認定歯科衛生士制度にからめ、歯科衛生士セッションでは「歯周病の治療に歯科衛生士がどこまでかかわれるか」をテーマに、日本歯周病学会歯科衛生士関連委員会委員長である谷口歯科医院の谷口威夫先生が座長をされて行われました。始めに岡山大学大学院口腔保健学分野教授の渡邊達夫先生から「認定歯科衛生士に期待する」と題し、専門職業人として専門技術、歯科衛生士としてのこころ、歯科衛生士としての専門知識を持つことが必要であると述べられました。次に日本歯科大学東京短期大学の野村正子先生から「歯周治療にかかわる時これだけは知っておこう」と題し、いかなるときでも検査を行うことの大切さや記録を上手に継続してとることの重要性についてお話されました。最後に小林歯科医院の鍵和田優佳里先生から「私の歯周病とのかかわり方」と題し、歯科衛生士の歯周治療での可能性として、水平性の骨吸収で歯周ポケット5㎜程度までの処置・改善を目指し、また反対に限界も見極めながら歯科医師と連携した処置を行っていくことが重要であると述べられました。
  今回、認定歯科衛生士が66名合格されたと発表されました。

  なお次年度の春季学術大会は、2006年4月28日(金)・29日(土・祝)に千葉県・市川市文化会館にて開催される予定です。大会長は、日本大学松戸歯学部の小方頼昌教授です。


札幌コンベンションセンター
札幌コンベンションセンター
会場入口
会場入口
大ホール(A会場)
大ホール(A会場)
中ホール(B会場)
中ホール(B会場)
ポスター会場
ポスター会場
展示ブース
展示ブース