11月23日(木・祝)・24日(金)の両日にわたり、東京国際フォーラム・ホールB-7にて「日本歯科衛生学会 第1回学術大会」が開催され、学会創設の記念すべき大会に1,000名を超える参加者がありました。 記念シンポジウム2題、会員発表プログラムとして口演・ポスター発表合計77題の発表が行われ、たいへん盛会でした。 大会長は、社団法人東京都歯科衛生士会の富田基子会長でした。 記念シンポジウムIは、静岡県立短期大学部教授藤原愛子先生をコーディネーターとし、「歯科衛生業務の向上を目指して-これからの臨床教育を考える-」との演題にて、3名の先生がご講演されました。 最初に名古屋歯科衛生士専門学校教務主任田村清美先生が「臨地(臨床)実習の目的・目標の共有」と題して、臨床教育における指導者と教員の連携の重要性について講演されました。次に徳島歯科学院専門学校歯科衛生士科教務主任米沢明子先生が「臨床実習の評価について」と題し、臨床実習評価を活かす方法について自己評価の重要性を講演されました。最後に東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科助教授遠藤圭子先生が「臨床教育への期待」と題して、歯科衛生業務の向上のためには、論理的思考を必要とし、かつ安全で効果的な活動を行うために有効とされている概念が必要であると強調されました。教育課程が3年以上となるこれからの歯科衛生士教育・臨床教育のあるべき姿を考える大変貴重な講演でした。 記念シンポジウムIIは、「高齢社会の健康とQOLを支える歯科衛生士の役割」の演題にて行われ、基調講演を東京歯科大学社会歯科学教授石井拓男先生がご講演されました。さらに、石井教授をコーディネーターに、東京都・鉄鋼ビル歯科診療所宮地建夫先生が「8020臨床現場からのアプローチ」と題し、残存歯数のみにこだわらず、患者の個別差・多様性を重視し、長く関わることの重要性を長期に渡る症例を通じてご解説されました。次に、藤田保健衛生大学医学部教授東口高志先生は、「経口摂取とQOL~口腔ケアからのアプローチ~」と題し、栄養サポートチーム:NST(Nutrition Support Team)の「経口投与は最高の栄養管理法であり、栄養管理の最終目標である」という活動目標に向かった取り組みを、愛情あふれる医療人の心とともにお話いただきました。次に東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学教授山根源之先生が「チーム医療における口腔ケア~歯科衛生士教育における取り組み~」と題し、チーム医療の一員として歯科衛生士が介入していくことの重要性について講演されました。最後に、今後の歯科衛生士活動の更なる発展を期待する活発なディスカッションで締めくくられました。 なお、次回の日本歯科衛生学会 第2回学術大会は、2007年11月23日(金・祝)・24日(土)に福岡県福岡市にて開催される予定です。 |