4月28日(金)・29日(土・祝)の両日にわたり、千葉県・市川市文化会館にて、「第49回春季日本歯周病学会学術大会」が開催され、1,800名を超える来場者がありました。 学術大会は、特別講演3題、シンポジウム3題、学術賞受賞記念講演、専門医教育講演、一般講演、ランチョンセミナー5題、歯科衛生士講演、市民公開講座他が行われ、たいへん盛況でした。 大会長は、日本大学松戸歯学部歯周治療学講座の小方頼昌教授でした。 特別講演1では、「インプラント歯科における“歯肉審美”:ロッキングテーパー周囲における軟組織治癒を考える」という演題で、Bicon Institure,Boston,Massachusettsの平山宗如先生が、歯肉審美におけるインプラント治療の考え方などをロッキングテーパーシステムのインプラント症例の紹介とともに講演されました。 シンポジウム1では、「歯周病の遺伝子検査・診断-多施設・学会主導・標準化に向けて-」をテーマに、日本大学松戸歯学部の安孫子宜光教授と、演者でもある新潟大学大学院医歯学総合研究科の吉江弘正教授を座長として、5名の先生が講演されました。医療のあらゆる分野で進められている遺伝子研究について、歯科でも主に多施設で侵襲性歯周炎や慢性歯周炎患者のDNAから、ケース・コントロール実験系で遺伝子多型、SNP解析を行っている5つの研究プロジェクトがあり、そのコンセプト、途中経過ならびに成果について紹介いただきました。 「遺伝子診断の光と影」について日本大学助教授の菅野直之先生より、「日本人侵襲性歯周炎関連遺伝子の検討」について愛知学院大学の石原裕一先生より、「日本人の歯周疾患感受性に関与する遺伝子多型についての調査研究」について徳島大学教授の永田俊彦先生より、「歯周病感受性遺伝因子発見へのアプローチ」について日本歯科大学教授の沼部幸博先生より、「歯周炎感受性遺伝子同定のためのマイクロサテライトによる位置的アプローチ」について新潟大学教授の吉江弘正先生より、それぞれご発表いただきました。 学術受賞記念講演では、新潟大学医歯学総合病院・歯科総合治療部助教授の小林哲夫先生が「歯周炎感受性における免疫グロブリンFc受容体の遺伝子多型と機能の解析」という演題で歯周炎高感受性患者に対するカスタムメード療法の方向性とFc受容体機能の関わりについて講演されました。また、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御科学専攻病態機構学講座歯周病態学分野助教授の西村英紀先生が「歯周病と糖尿病及び糖尿病性合併症の関連性に関する基礎的・臨床的研究」という演題で糖尿病と歯周病の相互作用に関する研究など自らの糖尿病研究の歴史を交えてお話されました。 ランチョンセミナー5(主催:株式会社ジーシー)では、「最新のインプラント補綴」という演題で、明海大学歯学部機能保存回復学講座オーラル・リハビリテーション学分野教授の荒木久生先生より、インプラント補綴の在りかたと、新しい補綴システムとしてCAD/CAMを用いた弊社のFDアバットメントシステムについて症例を通してご紹介いただきました。 シンポジウム3(歯科衛生士と歯周基本治療~モチベーションとスケーリング・ルートプレーニング~)、歯科衛生士ケースプレゼンテーション、歯科衛生士講演、歯科衛生士ポスター発表と、歯周治療における歯科衛生士の役割とその重要性などに関する講演他が行われ、たくさんの歯科衛生士の方々が来場され、たいへん盛況でした。 なお今年度の秋季学術大会は、2006年10月20日(金)・21日(土)に大阪市・大阪国際交流センターにて開催される予定です。大会長は、大阪大学大学院歯学研究科の村上伸也教授です。 |