9月21日(金)・22日(土)の両日にわたり、東京国際フォーラムにて「日本歯周病学会50周年記念大会」が開催され、2,500名以上の参加登録者があり、たいへん盛会でした。
学術大会は、開会講演、特別講演4題、シンポジウム4題、歯科衛生士シンポジウム2題、ランチョンセミナー4題、公開フォーラム、ポスター討論他が行われました。
大会長は、東京歯科大学歯周病学講座の山田了教授でした。 開会式に続き、日本歯科大学名誉教授の鴨井久一先生より日本歯周病学会50年の沿革が紹介され、日本歯周病学会理事長で大会長の山田了先生より歯周病学会ビジョン宣言として、21世紀の展望が述べられました。 開会講演では大会長の山田了先生を座長に、「ゲノムで変わる21世紀の医療“Biobank Japan” project toward the personalized medicine」と題し、東京大学医科学研究所教授でヒトゲノム解析センター長の中村祐輔先生が、遺伝子タイプの判定により、より効率的で安全な医療を実現化するための「オーダーメード医療実現化プロジェクト」の取り組みや、バイオバンクジャパンの現状について講演されました。 特別講演1は、岡山大学名誉教授の村山洋二先生を座長に、アメリカ・ニューヨーク州立大学バッファロー校のDr.Robert J. Gencoが、「Periodontal Medicine for the 21st Century」という演題で、同2は、大阪大学名誉教授の岡田宏先生を座長に、ニュージーランド・オタゴ大学のDr.Gregory J. Seymourが、「Body, bugs and lifestyle : Susceptibility to periodontal disease」という演題で、同3は、九州大学歯学部臨床教授の船越栄次先生を座長に、アメリカ・ヒューストン開業で元American Academy of periodontology会長のDr.Michael K. McGuireが、「BioSurgery -Tissue Engineered Solutions for Hard and Soft Tissue Defects」という演題で、同4は、愛知学院大学歯学部教授で歯学部長の野口俊英先生を座長に、スウェーデン・イエテボリ大学のDr. Lars Heijiが、「Periodontal regeneration-present status and future」という演題でそれぞれ講演されました。 シンポジウム1では「歯周病の治癒・病状安定とはなに？」をテーマに、昭和大学名誉教授で日本歯周病学会名誉会員の長谷川紘司先生を座長に、読売新聞東京本社編集委員の南 砂先生が、「歯周病対策は国民の意識改革から」、神奈川県歯科医師会会員の村岡宜明先生が、「歯周病の病状安定の多様性」、愛知学院大学歯学部教授で歯学部長の野口俊英先生が、「進行した歯周病患者の症状安定後におけるリスク管理」、厚生労働省医政局歯科保健課課長補佐の鳥山佳則先生が、「「歯周病の病状安定とは何か」～医療制度と歯周病」について、それぞれ講演されました。
その後、日本歯科医師会会長の大久保満男先生が「今後の歯科医療の展望、医療制度改革への対応」について、講演されました。 同2では、「リスク検査・診断へのロードマップ」、同3では、「QOLを高める喜び；インプラントVS再生療法」、同4では、「歯周組織再生医学の最前線－狙いと焦点－」をそれぞれのテーマに講演が行われました。 歯科衛生士シンポジウム1では、「認定歯科衛生士のためのインスツルメンテーション」をテーマとして、東京医科歯科大学大学院講師の小田茂先生を座長に、米国でも活躍されている歯科衛生士の加藤久子先生が「ペリオドンタル ディブライドメント」と題し、臨床におけるポイントや器具の選択について講演され、谷口歯科医院歯科衛生士の山岸貴美恵先生が、「患者さんにダメージのないルートプレーニングを目指したい」と題し、豊富な臨床経験をもとにインスツルメンテーションについて講演をされました。また、スケーリングルートプレーニングの成否の鍵を握っているといっても過言ではないシャープニングについて、シャープニング法の解説とデモンストレーションが行われ、明日からの臨床に活用できる、実践的な講演でした。
歯科衛生士シンポジウム2では、「歯肉出血から全身疾患を考える」をテーマとして、広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授の高田隆先生を座長に4名の先生が講演をされました。 なお、次回大会は、2008年4月25日・26日に埼玉県・大宮ソニックシティにて明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野教授の申基喆先生を大会長に開催される予定です。 | 
