「第52回秋期日本歯科理工学会学術大会」が開催されました

 9月20日(土)・21日(日)の両日にわたり、大阪府・千里ライフサイエンスセンターにて「第52回秋期日本歯科理工学会学術大会」が開催され、約1,000名の参加登録者があり、たいへん盛大でした。

 学術大会は、特別講演3題、一般口演37題、ポスター発表85題が行われました。大会長は、大阪大学歯学部歯科理工学講座の荘村泰治教授でした。

 特別講演1では、大会長の荘村泰治教授を座長として日本歯科大学附属病院小児・矯正歯科の宇塚聡講師より、「患者ロボットを用いた歯科臨床教育」と題しての講演があ りました。

 学生や診療経験の浅い歯科医師に対して、適正な診療技術を効率的に習得される手段として、さまざまなシミュレータが開発されているが、全人的な医療を実現し、安心・安全な歯科医療を提供できる歯科医師を養成するために、患者が感じる負担を動作や音声により的確に術者へ反映できる全身型患者ロボットを製作して歯科臨床教育へ適応させることを考案し、その事業計画のなかで開発した全身型患者ロボットについてご講演されました。

 特別講演2では、大阪大学歯学部歯科理工学講座の寺岡文雄推教授を座長として、日清食品株式会社マーケティング部ブランドマネージャーの森貴芳先生より、「咀嚼法を取り入れたメタボ対策食品カミングダイエットの開発」と題してのご講演がありました。

 咀嚼という単純な作業が、様々な効果・効能をもたらせることが最近の研究から分かってきたこと、現代人の咀嚼回数の減少は大きな問題となり、咀嚼の大切さがクローズアップされてきたことで、小児では顎や歯の未発達や肥満児の増加、成人では成人習慣病の原因となる肥満の増加が咀嚼回数の減少と密接に関わっていること、高齢者にとっては脳を活性化し痴呆を防止できる咀嚼は健全な生活を送る上で重要な意義を持っているとのことでした。このような背景から、咀嚼することを目的とした食品素材「カミングシート」を開発し、その特徴や製品カミングダイエットの商品内容についてご紹介くださいました。

 特別講演3では、大会長の荘村泰治教授を座長として、名古屋大学大学院工学研究科マイクロナノシステム工学専攻生体医用マイクロナノエ工学講座の生田幸士教授より、「光駆動ナノマシンと化学ICチップによる未来医療戦略」と題しての講演がありました。

 真の医療改革には、医療の制度とツールの両者の改革が不可欠になる。前者に関しては、医師、研究者だけでなく、行政、立法と国民との深い協議を行い、十分に納得できる制度を早急に確立しなければならないとのことでした。こういったことを背景に未来医療ツールの開発現状と、早期実用化への展望、課題、解決策についてのご講演でした。 マイクロスケールで分析と合成が同時に行える「化学ICチップ」、「生分解性樹脂製 マイクロマシン」の作製法、再生医療用の「毛細血管デバイスへ」などをご紹介くださいました。

 なお、次回大会は、東京都タワーホール船堀にて、2009年4月11日(土)・12日(日)に開催される予定です。

千里ライフサイエンスセンター

千里ライフサイエンスセンター

A会場

A会場

ポスター会場

ポスター会場

展示会場

展示会場