6月5日(金)?7日(日)の3日間にわたり、国立京都国際会館にて、「第118回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、約2,100名の参加登録がありたいへん盛会でした。尚、6月8日に開催予定のビデオセッションは、新型インフルエンザの影響で取りやめとなりました。
今大会も引続き、「咬合・咀嚼が創る健康長寿」をメインテーマに、特別講演、理事長講演、海外特別講演2題、シンポジウム2題、ミニシンポジウム2題、研究セミナー、臨床スキルアップセミナー、歯科技工セッション、歯科衛生セッション、市民フォーラム、早朝ミニレクチャー6題の他、課題口演発表、ポスター発表、ランチョンセミナーなど、多彩な発表が行われ、どちらの会場もたいへん盛況でした。
大会長は、大阪大学大学院歯学研究科歯科補綴学第一教室教授の矢谷博文先生でした。
特別講演は、大会長の矢谷博文教授を座長に、大阪大学総長の鷲田清一先生が「食べるということ?生理と文化のはざま?」という演題にて講演されました。過食・拒食といった摂食障害や、コンビニの食品対グルメ志向、あるいは必要最低限の簡便な食事対粋をこらした贅沢な食事といった食の二極化が進んでいる昨今の状況を鑑み、<食>が持つ本来の役割をいかに取り戻していけばよいかについて語られました。
理事長講演は、前理事長で北海道医療大学歯学部咬合再建補綴学教授の平井敏博先生を座長に、本年4月から新理事長に就任された、東北大学大学院歯学研究科口腔システム補綴学教授の佐々木啓一先生が、「日本補綴歯科学会が今果たすべき役割?これから2年間の学会活動?」という演題にて講演されました。アクションプラン2009-2011を発表され、今後2年間の学会活動の方向性を示されました。
シンポジウムは2題あり、Iでは「インプラントと再生医療」、IIでは「力の問題から補綴を考える?ブラキシズムへのチャレンジ?」とのテーマにて発表があり、それぞれ活発な討論がなされました。演者はシンポジウムIが九州歯科大学口腔機能再建学の細川隆司教授を座長に、東京都ご開業の松井徳雄先生、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の窪木拓男教授、大阪大学大学院歯学研究科の江草宏先生、シンポジウムIIが岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の皆木省吾教授を座長に、大阪大学大学院歯学研究科の加藤隆史講師、昭和大学歯学部の馬場一美教授、大阪大学大学院歯学研究科の林美加子先生でした。
本学術大会からの新しい試みとして、午前8時からスタートの早朝ミニレクチャーが2日間で3名ずつ計6題行われ、関西でご活躍の臨床家の先生方が、最先端の補綴歯科治療を披露されました。演者は関西支部の宮内修平先生、同じく茂野啓示先生、同じく南昌宏先生、同じく中村公雄先生、愛知県の月星光博先生、京都府の宮本泰和先生でした。
5題のランチョンセミナーの内、1題をジーシーが担当し、福岡歯科大学咬合修復学講座口腔インプラント学分野の城戸寛史准教授に「CAD/CAMを応用した磁性アタッチメント用インプラントアバットメントの開発」という演題にてご講演いただきました。設計の自由度が高く、吸着面の角度の調節や歯肉縁下の形態付与が容易な、CAD/CAM応用の磁性アタッチメント用アバットメントについてお話され、たくさんの方々の関心を集めました。
なお、次回大会は、2010年6月11日(金)?13日(日)に東京ビッグサイトにて開催される予定です。大会長は、日本歯科大学生命歯学部歯科補綴第一講座の志賀博教授です。
国立京都国際会館
ポスター会場
ランチョンセミナー
展示会場