1月31日(日)に、東京・国際フォーラム ホールB7にて「GC友の会 東京学術講演会」を開催し、定員を上回る650名の参加登録があり、たいへん盛会でした。
今回は、千葉県我孫子市でご開業の千葉英史先生、大阪大学大学院歯学研究科歯科補綴学第二教室教授の前田芳信先生、東京都調布市でご開業の阿部二郎先生、埼玉県川口市でご開業の亀田行雄先生の合わせて4名の先生方にご講演いただきました。
午前の部として、テーマにもなっている、「高齢者の歯を守る?個への対応が生む安心感をベースに?」と題した映画の上映からスタートしました。続いて、本映画の監修をされた千葉英史先生より、歯を守るためには、患者一人ひとりの状況や状態に合わせた適切な診療を行い、長期にメインテナンスを行うことが肝要であり、そのベースには、高齢者に安心して通院していただけるように配慮した歯科医院全体の取り組みが重要であると説かれました。患者と歯科医院を長期につなぐもの、それは信頼感と安心感であるとお話しされました。
午後の部として、はじめに「義歯難症例に対する新しい補綴処置の考え方」と題した映画の上映がありました。その後、引き続き本映画の監修をされた阿部二郎先生を進行係として、前田芳信先生、亀田行雄先生との3名の先生方によるディスカッション講演がありました。
阿部二郎先生より、無歯顎補綴治療において、顎堤形態が良好なケースに総義歯を装着すると、快適な咀嚼が得られることも多い反面、顎堤吸収の著しいケースでは、義歯が顎堤上で安定せず、患者さんが大変苦労する場合がある。特に問題となるのが下顎難症例で、治療後の調整も幾度となく必要となることから、総義歯には機能回復の限界があると思われ、そのためには咬合の安定や装着後の顎堤吸収を抑えるために、インプラント・オーバーデンチャーも必要な治療法の一つと考えられるとのお話がありました。
前田芳信先生より、部分欠損または無歯顎症例に対して、有床義歯とインプラントを組み合わせて有効に用いることは、最小限の侵襲でQOLを向上させるインプラントの特性をいかしたMIの実現につながるものと考えられ、インプラント・オーバーデンチャーの設計、操作方法、メインテナンスを中心に、そのポイント、注意点についてご講演いただきました。
亀田行雄先生より、超高齢化とともに元気な高齢者も増え、義歯に対する要望も増えてきた中で、患者満足度の高い欠損補綴を行うためには、義歯かインプラントかという選択肢だけでは十分とは言えず、インプラント・オーバーデンチャーは少ない侵襲で患者さんの機能向上が図れる治療法として注目されていること、今回、無歯顎症例でのIODや、遊離端部分欠損に対しIODによる戦略的アプローチを行った症例についてご講演いただきました。
各々の先生方より、「義歯難症例に対する新しい補綴処置の考え方」、「下顎無歯顎治療」について先生方のお考えをお話いただきました。
展示コーナーでは、LED可視光線照射器「G-ライト プリマ」をはじめ、デュアルキュア型支台築造用接着性コンポジットレジン「ユニフィルコア EM」、グラスアイオノマー系仮着材「フジTEMP」の他、ナノハイブリットフロアブルレジン「MIフロー」、多目的レジン「プロキャスト DSP」、光重合型レジン表面滑沢材「ナノコートカラー」、「ジーシーインプラントRe」、双眼ルーペ「Eye Mag」(カールツァイス社製)、親水性ハイブリッドシリコーン印象材「フュージョンII」、予防コーナーでは、新製品のデンタルフロス「ルシェロフロス」、ホームホワイトニング「ティオン ホーム」、音波電動歯ブラシ「プリニアスリム」、「MIペースト」等をご紹介し、多くのお客様にお立ち寄りいただきました。
満員の講演会場
ディスカッション
日本歯科商社書籍コーナー
展示コーナー