5月24日(日)に、東京都千代田区のJPタワーホール&カンファレンス(JPタワー・KITTE4F)にて、「GC友の会 学術講演会 ステップアップ講演会」を開催し、満席の約350名にご参加いただき盛会でした。
今回は、「基礎資料から読み取る 治療計画立案の手がかり」をメインテーマに、東京都港区でご開業の鷹岡竜一先生にご講演いただきました。
先ず、歯科疾患は、原因の除去で改善する急性疾患ではなく、慢性疾患であるため、治療が長期にわたること、完全治癒がないこと、患者様の積極的なプラークコントロールという治療参加が必要なこと等が有り、疾病の未来が容易にはつかめないので、経過対応まで含めた長期的な治癒像をイメージすることが大事であると説かれました。
次に質の高いX線写真の要件の話になり、エナメル質と象牙質の境界がきちんと観察でき、歯槽硬線・骨梁の様子が分かる様なX線の撮影とそのX線を3次元で想像できること、術前・術後・経過の様子が経時的に比較できる安定性があること、を挙げられました。
更に、疾病の未来がつかみにくいという状況があるため、できる限り侵襲の度合いは控えめにして、時間経過の中で個体の反応を見ながら進めていくべきで、切削や抜髄という後戻りできない処置には、慎重であるべきであるとお話しされました。
大学教育では、主に病気の「治し方」(カリエスがあれば削って修復する等)を学んできており、例えばそのカリエスの進行が早いかゆっくり進行するのか、あるいは根尖病巣が進行形か回復途上か等病気の「治り方」を知る必要があることに気づき、どの様な状態がゴールなのか回復目標のイメージを持つことが必要であると強調されました。
最後に、症例報告の持つ意味に付いてお話しされ、スタディーグループの諸先輩方を前に、自らの臨床レベルをさらけ出すことにより、様々な見方や思い込みに気付き、技術的な目標値や限界が見えてきたので、回数を重ねることで、情報伝達能力を磨くことができ、かならずや患者説明やスタッフ教育にも活かせるスキルに繋がると力説されました。
展示ブースでは、塗布後待ち時間0秒で操作が出来る、多目的光重合型1液性ボンディング材「G-プレミオボンド」、ナノフィラーテクノロジーを応用したペーストタイプの光重合型コンポジットレジン「MIグレースフィル」、同じくフロアブルタイプの「MIフローII」、「MIローフロー」、インジェクタブルタイプの「MIフィル」、接着性レジンセメント「ジーセムリンクエース」、「ジーセムセラスマート」、独自の特許技術でシャープニングフリーのスケーラーを実現した「アメリカンイーグルXPシリーズ」をはじめ様々な製品の展示を行い、お客様にお立ち寄りいただきました。
JPタワーホール&カンファレンス
鷹岡先生
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