7月8日(金)?10日(日)の両日にわたり、石川県立音楽堂、ANAクラウンプラザホテル金沢にて、「第125回日本補綴歯科学会学術大会」が開催され、約2,500名の参加登録があり、たいへん盛会でした。
今大会は、メインテーマに「補綴歯科がめざすもの,求められるもの」を掲げ、教育講演2題、国際シンポジウム、シンポジウム2題、ミニシンポジウム2題、臨床リレーセッション3題、専門医研修会、委員会セミナー、モーニングセミナー、イブニングセッション4題、臨床スキルアップセミナー、市民フォーラム、ランチョンセミナー6題の他、課題口演9題、一般口演67題、ポスター発表160題など、多彩な発表が行われ、どちらの会場もたいへん盛況でした。
大会長は、大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 前田芳信教授でした。
教育講演1は、九州大学大学院歯学研究院インプラント・義歯補綴学分野 古谷野潔教授を座長に、「咬合を再考する」というメインテーマで、ICP前会長で元テルアビブ大学のMartin D. Gross先生と古谷野潔教授が講演されました。まず、古谷野潔教授が、咬合理論における基準について文献レビューに基づいて検証し、近年提唱されている咬合の4つの区分について紹介・考察についてお話しされ、その後、Martin D. Gross先生が「Marginal bone loss and implant mortality in light of current research of occlusal overload,peri-mplantitis and their effects on altered paradigms for implant supported prosthetic restoration」という演題にて、日頃のご研究で得られた検証内容やインプラント治療における臨床的なトピックス内容、上部構造に対するエビデンスに基づいた咬合についてなどを分かりやすくお話しいただきました。
教育講演2 は、日本大学歯学部歯科補綴学教室III講座の松村英雄教授を座長に、大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学の楽木宏実教授が「老年医学が目指す方向と歯科医療,補綴歯科治療への期待」という演題にて、ご講演されました。 楽木宏実教授は、日本老年医学会理事長でもあり、今回、超高齢社会の日本の老年医学が進むべき方向について、老年医学、老年病診療の独自性の追求や受信者に対する活動、日頃行っている高齢者を対象とした地域コホート研究であるSONICの研究実績など紹介し、補綴歯科専門医への要望・期待についても触れながらお話しいただきました。
国際シンポジウムは、大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 前田芳信教授を座長に「補綴歯科がめざすもの,求められるもの」をメインテーマに、トロント大学のGeorge A. Zarb教授が「The Osseointegration Interface: Its impact on Prosthodontic Management」という演題にて、また、ブリティッシュコロンビア大学のMichael MacEntee教授が「Implants for Old Age」という演題にて、それぞれご講演されました。
George A. Zarb教授には、補綴歯科分野にいち早くオッセオインテグレーションタイプのインプラントを北米で導入された経緯やその後の変遷についてを、Michael MacEntee教授には、高齢社会の到来を早期から予測してその対応の必要性を説いてきた立場から「補綴のめざすもの」についてを、それぞれのご研究を踏まえ「補綴歯科医は今何を、そしてこれから何をめざすべきか」をお話いただきました。
石川県立音楽堂
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