6月18(日)に、ベルサール半蔵門ホールにて、「GC友の会 学術講演会 歯科衛生士講演会」を開催し、約600名のお客様にご来会いただきました。
今回は、「大臼歯を守るためのプラークコントロール ?より確実に、長期にかかわる?」 をメインテーマに、富山県高岡市・まきの歯科医院をご開業の牧野明先生、富山県高岡市・まきの歯科医院にご勤務の歯科衛生士 畔川澄枝先生、東京医科歯科大学大学院非常勤講師 歯科衛生士 薄井由枝先生、の3名の先生方にご講演いただきました。
まず始めに企画主旨紹介として、牧野明先生より、「なぜ大臼歯のプラークコントロールが必要か」をお話いただき、その後、講演1として「大臼歯の健康状態を把握するために知っておきたいこと」という演題にてご講演いただきました。
大臼歯は顎骨の中でも最も咬合力を受ける位置にあり、強大な力を担うため、複根形態になっているが、そのため、患者自身の目からは直視しにくくセルフケアも、また歯肉縁下のプラークコントロールもアクセスが困難になりがちである。欠損歯列の多くが大臼歯の欠損から始まることが分かっており、臨床現場でどのように欠損歯列の予防を行うか、歯周治療の最後の難関とも言える根分岐部病変の考え方や対処についてなど、プロービング、X線写真、歯肉(視診)、エキスプローリングから患者の口腔内の状況を読み取り、実際の患者さんの口腔内画像とともに術者自身の想像力を働かせて、三次元的に大臼歯部をイメージし正確に把握することが重要であることを、分かりやすく解説されました。
次に、講演2として、畔川澄枝先生より、「患者さんの立場から考えるセルフケア」という演題にて、ご講演いただきました。
大臼歯を守ることは、患者さんの健康を守るための大きな鍵となり、歯科衛生士の役割として歯科医師の診断、治療をしっかり把握し、ポイントとなる基本知識と技術を身につけ臨床に活かすことが大切になること、また、患者さんが積極的に、治療に参加していただき、満足していただけるためのコミュニケーション力を身につけることの必要性についてをお話され、「患者さんを知るために、どんなに小さなことからでも患者さんの思いを受けとめることを大切にしている」とご自身が実践されている具体的な治療・予防のためのモチベーションのポイントをお話しいただくなど、畔川先生の各治療ステージでのそれら取り組みを、症例を提示しながら分かりやすく解説されました。
お昼休憩をはさんで、講演3として、薄井由枝先生より、「効率よくしっかりとるためのインスツルメーンテーションのコツ」という演題にてお話しいただきました。
限られた診療時間内において、効率良く確実に歯石などの病的付着物を除去するためのインスツルメンテーションのポイントを、特に、大臼歯の歯周ポケット内や根面および根分岐部の探知、スケーリング・ルートプレーニングの基本的なスキルおよび毎日行う器具のメインテナンスについてや、SRPとペリオドンタル・ディブライドメントについての相違点の解説とその手技のポイントについてなど、また、歯科衛生士の仕事を長く続けるためにも、正しいインスツルメンテーションを行うことが大切であるとのことから、アメリカでの歯科衛生士ライセンス取得時のお話を交えて、最適なインスツルメントの把持方法をご紹介するとともに、SPT継続のためのコミュニケーションスキルについてなど、長年の臨床でのご経験から得られた、若い歯科衛生士のための役立つ情報を分かりやすく解説されました。
今回の講演会ではディスカッションの時間も多く取り入れ、ディスカッション(1)では、午前のふたつの講演を踏まえ「大臼歯の形態特徴、注意すべき形態は?」、「大臼歯の問題をどう患者さんに伝えモチベートする?」をテーマに、ディスカッション(2)では、午後の前半の講演を踏まえ、「手用インスツルメント、超音波スケーラー、どちらをどのように使用しているか?」、「アメリカンイーグル XPインスツルメント(新技術のシャープニング不要のキュレット)の活用」をテーマに、ディスカッション(3)では、午後の後半の講演を踏まえ、「メインテナンス期の対応」、「歯周治療に罹患していない大臼歯の予防」をテーマに、それぞれ3名の先生方による長年の臨床経験をもとに、明日からの臨床に役立つお話をしていただきました。
展示コーナーでは、独自の特許技術によりシャープニング不要でブレードが薄い「アメリカンイーグル XPシリーズ」、また、「インプラントチタンスケーラー」の各種ハンドインスツルメント、予防製品では、ルシェロシリーズより「ルシェロ歯ブラシ」、「ルシェロ歯間ブラシ」、「ルシェロペリオブラシ」、新製品の「ルシェロ歯ブラシ W-10」、「ルシェロ歯みがきペースト ホワイト」、他 予防製品を中心にご紹介し、多くのお客様にご覧いただきました。
ベルサール半蔵門ホール
イベントホール入口
講演 牧野明先生
講演 畔川澄枝先生
講演 薄井由枝先生
講師3名によるディスカッション
満員の会場
展示コーナー
展示コーナー