「GC友の会 学術講演会 東京講演会」を開催しました

 5月20日(日)に、ベルサール渋谷ファースト2階ホールにて、「GC友の会 学術講演会 東京講演会」を開催し、多くの参加登録があり盛会でした。
 今回は、「オーラルフレイル」―歯科医院が取り組む予防と対策―をメインテーマに日本大学歯学部摂食機能療法学講座 教授の植田耕一郎先生、神奈川県川崎市・須貝歯科医院の須貝昭弘先生、千葉県松戸市・あおぞら診療所の山口朱見先生、東京都健康長寿医療センター・平野浩彦先生の4名の先生方にご講演いただきました。

 植田先生は、医療改訂のたびに「かかりつけ歯科医による在宅医療の推進」が提唱され、高齢者に対して「重篤な歯科疾患と摂食嚥下障害の対応を歯科医療の業務となす」ことが記されています。ここで改めて認識したいのは、かかりつけ歯科医が実施する在宅支援は、「訪問診療」「摂食機能療法」から始まるのではなく、診療所に通院しているときから始まっているのだということです。今回は、1.リハビリテーションの概念、2.診療室で実施する摂食機能療法と口腔機能の向上支援、3.かかりつけ歯科医が訪問診療を始めるとき、4.21世紀の超高齢社会に向けての健康感について解説されていました。

 須貝先生は、術者が歳を重ねただけ来院する患者も高齢化しきている。一度かかりつけ歯科医と患者が認めると余程のことがない限り医院を変えないのが日本の習慣であり、永いお付き合いの患者も多くなっている。「おかげさまで」と言われながらいつまで通院できるのかお互いが心配し合う状況である。超高齢社会では今まで普通に通院できていた患者の全身状態や口腔内の状態が変化し、突然来院できなくなったり、ブラッシングができなくなったり、補綴物の着脱に介助が必要になったりなどということがいつ起こってもおかしくない。国が進める地域包括ケアの中で最期まで口から食べさせることが歯科医の大きな役割と期待されている。超高齢社会の中でかかりつけ歯科医に求められていること、今できていることについて解説されていました。

 山口先生は、超高齢社会となったわが国では、高齢者ができるだけ自立し健康で過ごしてもらうことが必要です。口腔機能は栄養状態から全身状態へ大きく影響しています。高齢の患者さんでは全身疾患を持つ方も多く、疾患そのものの進行や動きにくさから、身体・口腔の機能低下が起きている事は少なくありません。特に全身疾患の無い方でも、活動量が減少し、患者さん自身も気がつかないうちに全身・口腔の機能低下が進んでいる事があります。私たち歯科衛生士が、歯科医院に来ている高齢の患者さんの口腔機能低下に気付き対応することで更なる口腔機能低下を防ぎ、全身の機能低下をくい止めることができるかもしれません。口腔機能を保つことは、ADL を保つこと、全身状態の維持、向上へつながると考えますと解説されていました。

 平野先生は、認知症高齢者の数は軽度認知障害の方も合せて800万人以上であり、今後も増加することが確実視されている。以上から、2015年1月に新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)が発表された。このプランの目的は、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」されている。本プランにおいて歯科医師の認知症対応力向上研修実施が明文化され、平成28年度から全国で研修会が実施されている。認知症を理解し、認知症の人の容態に応じた適時・適切な歯科医療および口腔衛生管理などのケアの提供を行う対応力が求められている。と解説されていました。

 展示ブースでは、予防製品「ルシェロ歯ブラシ」、ナノハイブリッド充填用コンポジットレジン「グレースフィルシリーズ」、CAD/CAM用高靱性ハイブリッドブロック「セラスマート270、300」、接着用レジンセメント「ジーセムONE」、新製品のイオン放出型2液性歯面塗布材「ケアダインシールド」、超速硬石こう「シェイク!ミックス ストーン」、歯冠用硬質レジン「エクスペリア」等を展示し、多くの先生方にご覧いただきました。


ベルサール渋谷ファースト

ベルサール渋谷ファースト

講演会場

講演会場

展示コーナー

展示コーナー