5月10日(金)~12日(日)にわたり、札幌コンベンションセンターにて、「日本補綴歯科学会第128回学術大会」が開催され、多くの参加登録があり、たいへん盛会でした。
今大会は、メインテーマに「補綴歯科の挑戦と進化」を掲げ、理事長講演、特別講演、海外特別講演、シンポジウム6題、臨床リレーセッション2題、臨床スキルアップセミナー2題、研究教育セミナー、歯科医療安全対策推進セッション、専門医研修会、委員会セミナー2題、パネルディスカッション、市民フォーラム、イブニングセッション6題、ハンズオンセミナー4題、ランチョンセミナー11題、課題口演9題、一般口演58題、ポスター発表162題など、多彩な発表が行われ、たいへん盛況でした。
大会長は、北海道大学大学院歯学研究院口腔機能補綴学教室教授の横山敦郎先生でした。
理事長講演は、徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野教授の市川哲雄先生を座長に、明海大学歯学部機能保存回復学講座歯科補綴学分野教授の大川周治先生が「歯科補綴学の本質を探究する」という演題にてご講演されました。
ご講演では、補綴歯科治療により食力(捕食、咀疇し、嚥下する力、すなわち食べる力)を向上させるとともに、向上した食力を客観的評価により明示する(数値化して示す)ことが不可欠であり、もって健康寿命の延伸へと繋げていくことが重要である、とお話しされました。
特別講演は、北海道大学大学院歯学研究院口腔機能補綴学教室教授の横山敦郎先生を座長に、北海道大学電子科学研究所教授の中垣俊之先生が「粘菌の用不用適応能に倣った形状最適化」という演題にてご講演されました。
ご講演では、真正粘菌モジホコリという真核単細胞生物がつくる輸送ネットワークの設計方法にヒントを得た形状最適化について紹介され「よく使われる部分は強化され、そうでない部分は弱化される」という、いわゆる「用不用則」である。この運動規則がシステムの局部で自律的かつ分散的に作用することによって、全体としてある種の最適性が実現される、とお話しされました。
弊社が協賛のランチョンセミナーでは、東京歯科大学老年歯科補綴学講座教授の上田貴之先生から「義歯の管理に口腔機能低下症・オーラルフレイルの概念を取り入れよう!」との演題にてご講演いただきました。
ポスター発表においては、弊社研究員より「新規CAD/CAM用リチウムジシリケートガラスセラミックブロックの強度と微細構造」と「「G-CEM ONE neo」のジルコニアに対する接着性能」」をそれぞれ発表させていただきました。
なお、次回大会は、2020年6月26日(金)~28日(日)に福岡国際会議場にて、九州大学大学院歯学研究院口腔機能修復学講座教授の古谷野潔先生を大会長に開催される予定です。
札幌コンベンションセンター
会場入口
メイン会場
ポスター会場
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