下顎歯列にスプリントを装着した症例

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32才男性会社員。左側頸部から肩の凝り、背中の痛みを主訴に咬合との関連性を疑い来院。7年ほど前から肩凝りが強くなり、頸、腰の痛みがあった。
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両側犬歯、小臼歯に明らかな咬耗が認められ、問診からもブラキシズムの習癖が確認された。上顎左側犬歯尖頭は咬耗し平坦化していた。
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下顎安静位から閉口した時の咬合状態。この位置で噛みしめると、左側に若干滑走し咬頭嵌合位となる。「噛みしめると左側では力が入らない」と訴えた。
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デンタルプレスケール/オクルーザーを用いた咬合診査では、咬頭嵌合位(上図)に比べ、3の咬合位(下図)では左側臼歯部ならびに右側の大臼歯部に咬合接触がなかった。
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スプリントレジンLC製のスタビライゼーションスプリントを下顎歯列に装着した。
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下顎の正中線は2の咬合位と同様に上顎と一致した。装着1ヵ月後には開閉口時に顎のガクガク感はなくなった。3ヵ月後には強い肩凝り、背痛も消失した。
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治療中にスプリントが破折したが、常温重合レジン、ジーシーユニファストIIで破折部分を直接法により修理した。スプリントレジンLCとよく接合するので、スプリント咬合面への追加調整も容易である。
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スプリント治療後の咬合診査から、臼歯部の咬合低下による下顎の左側変位と診断した。上顎臼歯部にレジンアンレーを合着して経過観察した後、歯冠修復治療を行った。