症例1


症例1 咬合力のない場合の10分間のチューブを利用した咀嚼訓練

主訴:食事が遅く、よく噛めない。  初診時の年齢 6才2ヵ月 性別 女性

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A:咀嚼訓練前 B:咀嚼訓練後 1:咬合面積、咬合力、平均咬合圧力 2:左右の咬合バランス

矯正治療を必要とする患者の多くは、全身および、口腔のポスチャーに問題点があったりするか、咬合力等に問題があるケースが多い。この症例では、10分間のチューブの咀嚼訓練で咀嚼力は99N(約9kgw)から146N(約14kgw)と50%増加した。咬合面積も12.3mm2から20.1mm2に増加した。咬合バランスには大きな変化はなかった。チューブを噛む位置は通常、第一小臼歯を指示している。咬合バランスに15%以上の差がある場合は、咀嚼力の弱い側のみにチューブを真っすぐな状態で噛む訓練を行うことでバランスを修正する。ただし、毎日の訓練を行わないと、咀嚼力はすぐにもとに戻ってしまうので、1日10分2回の訓練をし、最低3ヵ月続けることが必要である。この期間に正しく訓練すれば、咀嚼力は2倍に増加する。また、ガムによる咀嚼によっても同様の結果が得られる。