05月 25日 2020
株式会社ジーシーとメイプル超合金がコラボしたスペシャル動画『ステキな笑顔をつくる力になりたい』を2020年5月25日より期間限定で公開いたしました。
04月 28日 2016
4月13日は、十三まいり。
春爛漫、桜の名所で名高い嵐山の法輪寺に、古都・京都に住む13歳を迎える若者が立派な大人になるために正装して参詣に行く、美しい行事です。
数え年13歳は、身も心も急激に大人になっていく大切な節目。
不安になりがちなこの時期に、「よくぞここまで成長してくれた」と家族に盛大に祝ってもらうのは、どんなに晴れがましいことでしょう。
十三まいりは「智恵もらい」とも呼ばれ、知恵と福徳を授かるのが参詣の目的です。「帰り道の渡月橋を渡り終えるまでに後ろを振り返ると、お参りの功徳が消えてしまう」という言い伝えもあって、こちらは「誘惑に負けずに意志を貫く人間であれ」という教...
02月 26日 2016
申年が明けて、2ヶ月が過ぎました。
皆様、いかがお過ごしですか。
申年といえば、孫悟空。明るく強い上に、富や不老長寿を連想させるので、ドラゴンボールや西遊記の主人公としても人気者ですね。
でも、事実は小説より奇なり。
実物の玄奘三蔵法師( 602?~664)は、ある意味、孫悟空よりタフな人でした。
ちなみに「玄奘」が法名で「三蔵法師」は尊称です。
時は7世紀初め、隋王朝が滅び、唐王朝が始まった混乱の世。
長安の青年僧だった玄奘は、経典の矛盾に悩み、仏教の原典をインドで確かめようと、皇帝の鎖国令を破って密出国します。
玄奘が選んだのはシルクロードの道。広い唐の国内を役人の...
12月 25日 2015
今年もいろいろなことがありましたが、年末のとびきり華やかなニュースといえば、年末にトータル330.43点という驚異的なスコアで男子フィギュアスケート・グランプリファイナルを三連覇した、羽生結弦選手。
得点が表示されたとき、一瞬、顔を覆って泣き伏した後、横にいるカナダ人コーチに「Why am I crying?」と泣き笑いで語りかけた姿も爽やかでしたね。
羽生選手のフリープログラムは「和」を意識した『SEIMEI』。
平安時代の陰陽師、安倍晴明を演じた鬼気迫る演技でしたが、美しい容姿でひらりひらりと舞い上がる姿は、牛若丸のようでもありました。
「和」は常にグローバルスタンダードで考...
11月 24日 2015
山茶花が満開になると、デパートのお歳暮商戦もそろそろ開幕。
ただの「歳の暮」という言葉が「お世話になった方に年末に贈る商品」を意味するほど日本の社会に根づいた習慣ですが、そもそもの由来は「お正月を祝う歳神様(としがみさま)へのお供物」でした。
歳神様はその家のご先祖様。お正月にはご先祖様を祀るために、嫁いだ人や分家した人が実家や本家に集まるので、集まった家に過大な負担をかけないよう、事前にお節料理などの食材を持ち寄ったことが始まりのようです。
その後、都会への人口流出が始まり、盆暮れの商習慣と結びついた「お歳暮」となったのが、江戸時代。こちらは「一年間、実の身内のようにお世話にな...
10月 30日 2015
青く澄んで、どこまでも続く高い空。こんな空の青を「ソライロ」と呼ぶのは、いつの時代からでしょう。
「秋」は古代の収穫前の儀式を形にした象形文字だそうですが、空気が澄んで過ごしやすいこの時期は、収穫の季節でもあります。
熱いミルクティーが恋しくなるのも、不意に冷えこんでくるこんな時期。味と香りのバランスがよくてコクのあるセカンドフラッシュ(夏に摘んだ紅茶)の茶葉が出まわります。
さまざまな種類のお茶の中から好きなお茶を選んで丁寧に淹れ、みんなで楽しむのが、ティータイムの醍醐味。淹れるのが難しそうなリーフティーでも、コツはたった4点です。
(1)汲みたての水を使う。
(2)ティーポッ...
04月 16日 2015
草木が微笑むような春。吉野山の麓から山頂に向かい、下千本、中千本、上千本、奥千本と、一カ月以上かけて咲き上るシロヤマザクラの花々は、今頃、山のどのあたりを彩っているのでしょうか。
樹齢500年を超える木もある吉野山の桜は、ご神木として昔から大切にされてきました。今や約3万本といわれ、野生種なので樹高30mを超える巨木があったり、同じ場所に育っても開花の時期が一週間くらいずれたり、花や新芽の色の濃淡が違ったりと、まるで人間のように個性豊かなのも魅力です。
さて、4月は人の社会も新芽の季節。
今ごろは、職場や学校の新人さんや異動してきた方の緊張がピークに達する時期でもありますね。周...
11月 14日 2014
鮮やかなオレンジ色、燃えるような深紅の葉が、晩秋のおだやかな陽光を浴びて、金色に輝いています。もし「幸福」に形があるのなら、こういうものかもしれません。
かつて始皇帝は、紀元前221年に中国を統一した直後から不老不死の妙薬を求め、中国の東方の絶海の孤島にあるという伝説の仙境「蓬莱」に、若手技術者で組織した3千人もの探査隊を派遣しました。皇帝の探査隊は東海に漕ぎ出したもののそんな国があるはずもなく、やがて日本にたどり着いて穏やかに暮らしたと「史記」に書かれています。
さて、始皇帝は結局49歳で亡くなりましたが、「東方の絶海の孤島に不老長寿の人たちが住む豊かな国がある」という噂はあなが...
08月 21日 2014
Oh,
you're so carefree, aren't you?
How far are you going?
Are you going all the way to Iwaki ?
"Clouds" by Bocho Yamamura
The other day, I read a book for children written by Professor Takashi Saito, who is known for supervising the NHK program "Nihongo de Asobo.
" In the afterword to th...
06月 13日 2014
新緑の葉に光る美しいツユ玉、雨上がりの空の天使の梯子。
美しいものを見ると、心が和むのはなぜでしょう?
「心と外見は繋がっています。病気や気持ちが沈むときでも、元気で明るいメイクをするといつの間にか元気になり、周りの人も安心してくれます」と言うのは、美容ジャーナリストの山崎多賀子さん。
最近、抗がん剤で体毛が抜けたり肌が荒れたりしがちな がん患者さんのメイク レッスンを実施する病院が全国的に増えています。
入院中や肌が過敏なときは無理ですが、病気で家族に心配をかけている人が元気なメイクをすることで、今日は体調がよさそうだと安心した家族も笑顔になる。抗がん剤投与中に職場復帰...
09月 9日 2014
いよいよ初夏。
新緑や飛び交うツバメの姿に生命の息吹を感じる、美しい季節です。
生命力といえば、先日、TV番組で「東京・表参道のある美容サロンで管理栄養士が定期的に栄養指導を実施したら、若い美容師たちが見違えるように健康になった」という報道を観ました。
ことの始まりは3年前。健康診断で、この店の美容師はみんなスリムなのに、血糖値の平均値が50代並という結果がでたことです。マネージャーは「これが、身体を壊して欠勤や退職をする従業員が多い理由なのか」と危機感を持ち、管理栄養士に栄養指導を依頼しました。
管理栄養士が改めて従業員の生活を見直すと、「朝食抜き、昼食も食...
03月 27日 2014
桜の開花宣言が、各地に届いています。
わが家の桜の花はまだ蕾ですが、枝垂れの紅梅や黄色の水仙、青紫のムスカリ、色とりどりのクロッカスなどが次々に花開き、木陰でひっそりと咲く沈丁花の香りも馥郁と漂っています。
そんな美しい季節なのについ心が沈むのは、大切な人たちとの別れが近づいているから。新入学や就職、転勤、定年退職などを共に喜ばなくてはと思いつつ、温かい笑顔や懐かしい思い出ばかりが浮かびます。
とはいえ、大切な人が戻るのを待ち望んでいる人の嬉しさは、格別のもの。
奈良時代、大伴家持は「天平勝宝二年三月一日之暮眺矚春苑桃李花作二首」と題して、こんな歌を詠んでいます。
春の...
01月 14日 2014
新年早々、嬉しいニュースが飛び込んできました。
山中伸哉教授が率いる京大や大阪大などの共同研究チームが、アミノ酸やビタミンを加えた培養液を作って効率よく安全性の高いヒトiPS細胞を増やす方法を開発したことが、英国の科学誌に発表されたのです。これは創薬研究や再生医療の発展に直結する大きな快挙です。
新たな培養法で作ったヒトiPS細胞は、神経伝達物質ドーパミンを産生する神経細胞のほか、インスリンを作る細胞や血液細胞に変化することも確認ずみ。これまでのマウスや牛の動物由来成分だと細胞の安全性や安定性にも問題がありました。
先月20日には、遺伝子を使う作製法のほぼすべてをカバーする...
12月 20日 2013
この時期は一年でもっとも星空がきれいな季節。
仕事が一段落して夜空を見上げると、冬の南の空の中心に輝くオリオン座が見つかります。オリオン座は、狩人オリオンが右手に退治した大きなライオンの毛皮をもち、左手で太い棍棒を振りかざしている姿です。
星座の伝説は地域ごとにいろいろなバージョンがありますが、ギリシア神話によると、オリオンは海の神ポセイドンの息子でギリシア一番の狩人。しかも稀に見る美貌の大男でした。
もとは力自慢の乱暴者でしたが、ある宮殿で狩猟の神でもある月の女神アルテミスと恋に落ちてからは穏やかになり、二人でクレタ島に行って狩りを楽しみながら暮らしていました。
しか...
12月 5日 2013
いよいよ師走。インフルエンザワクチンの予防接種シーズンが始まりました。感染性胃腸炎(ノロウイルス)の患者発生数も、例年、12月の中旬頃にピークとなる傾向です。
ついご自身の健康を後回しにしがちな時期ですが、ご家族や患者さんを守るためにも、いつも以上にお身体をいたわってお過ごしください。
さて、かつて日本人の死因の第1位は「風立ちぬ」にも出てくる結核でした(1950年まで)が、BCGワクチンの定期接種が始まったおかげで、患者数が激減しました。
結核は、典型的なVPD(Vaccine Preventable Diseases=ワクチンで防げる病気)です。厚生労働省によると、乳幼...
11月 13日 2013
里山や縁台をやわらかく包む、ポカポカと優しいお日さま。
空気が澄んで冬の寒さには少し間がある晩秋に、不意にあらわれる穏やかで暖かな「小春日和(こはるびより)」は、この季節の贈り物です。
「小春日和」の由来は、晩秋から初冬にかかる旧暦10月の異称が「小春」だから。お隣の中国でも、こういうお天気を「小春の陽気」と呼ぶそうです。
緯度の高い国では春より夏の方が過ごしやすいせいか、アメリカやカナダの人たちは、小春日和を「インディアンの夏」、ドイツの人は「老婦人の夏」、ロシアの人は「女の夏」と呼ぶそうです。
さて、古代中国には、人生を四季にあてはめる四元論という考え方がありまし...
10月 28日 2013
10月31日はハロウィン。
カボチャのおばけ(ジャック オー ランタン)やドラキュラや魔女が日本に来るのはイヤですが、仮装した子ども達にお菓子を配るのは楽しそうですね。
でも、キリスト教の諸聖人の祝日「万聖節」(All Hallo /11月1日)の前夜祭(All Hallo Eve)に仮装するのは不思議だと思いませんか?
実はハロウィンの仮装は異教徒ケルト人のサーウィン祭が混在したものなのです。
ケルト人は2500年の歴史を誇る西洋の民族で多神教。彼らは「年が変わる大晦日の夜は『魔』の時間で、さまざまな霊がやって来て災いをもたらす」と信じていました。
ケルトの暦は1...
10月 9日 2013
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺子規
鐘つけば銀杏散るなり建長寺漱石
先日、誰もが知っている正岡子規の代表作が、実は夏目漱石の句の本歌取りだったことを知りました。子規が奈良でこの句を詠んだのが明治28年10月、漱石の作品はその前月に新聞に発表されています。
漱石の「鐘つけば」も美しい句ですが、新聞の選者であり俳句革新運動の仲間でもあった高浜虚子からは「意外性がない」と酷評されました。その句をそのままスライドして生命を吹き込んだのが、28歳にしてすでに和歌や俳句の第一人者だった親友の正岡子規。
子規は作品の舞台を鎌倉から万葉の都・奈良に、銀杏の葉を自分の大好物の柿の実に置き換えました。不...
09月 25日 2013
道端の曼珠沙華が、秋の夕陽に輝いていました。
陰暦10月は神無月(かんなづき)。その由来については諸説ありますが、有名なのは、日本各地の神様が出雲大社に集まって会議をするからこの一カ月は「神様の無い月」、出雲地方だけは「神様の在る月=神在月・神有月(かみありづき)」というお話。
出雲大社はこの5月に60年ぶりの式年遷宮がすんだばかりですから何もかも真新しくて、全国から訪れる神様もさぞ喜ばれることでしょう。
もっとも、「神無月」の「無」は否定でなく連帯助詞の「の」で、神を祀る月だから本来の意味は「神の月」。日本全国の神様が出雲大社に集まって縁結びの相談をするというのは、中世に...
09月 12日 2013
9月8日未明、2020年の夏季五輪の開催地が東京に決まりました。
今回のオリンピック誘致の決定打となったのは、45分間のプレゼン。皆さんよかったけれど、特に滝川クリステルさんの「オモテナシ」はキュートでしたね。
日本のプレゼンの冒頭で、明晰なフランス語と完璧なBBC英語で、「東北大震災のとき、IOCの支援は子どもたちに笑顔を、若い選手には希望を与えてくれました」と述べた高円宮妃久子さまの謝辞も印象に残りました。
久子さまが凛とした気品と優しい笑顔で会場の雰囲気を包みつつ、日本人の深い教養と礼儀正しさを示す格調高い挨拶をなさったからこそ、IOCの委員が、後に続くチーム日本の...
08月 28日 2013
入道雲が湧く真っ青な空の下、パラソルと脚立をたて、高原を渡る緑の風に吹かれて、その雄大な景色をキャンバスに映そうと挑む、愛らしい少女のイラスト。別バージョンには、同じく夏の高い空に飛ぶゼロ戦の美しいフォルムを、希望に満ちた表情で見上げる、前途有望な青年技師。
「生きねば。」のキャッチフレーズとともに、今年の夏、大きな話題を呼んだ宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」。皆様は、もうご覧になりましたか?
ジブリ映画の「風立ちぬ」では、航空機の設計技師・堀越二郎の半生を中心に進むので、ここではダブルキャストの主人公、小説家・堀辰雄の話をしましょう。
ご存知の通り、堀辰雄は「風立ちぬ」や「...
07月 31日 2013
先日、京都で八坂神社に参詣したら、祇園祭が始まる前日の夕方だったせいか日本人の参拝客がほとんどおらず、境内に飛び交っていたのは中国語、英語、ポルトガル語。見慣れたはずの修学旅行の団体も、実は中国の高校生でした。
一方、門前のお茶や和菓子の老舗では、英語で商品説明する店員の姿も板についたもの。京都は生活の端々まで日本文化が根づく街。海外から来た観光客が、日本古来の文化にまで興味を持ってくれたら嬉しいですね。
私は子どもの頃、夏の京都の旅で飲んだ「冷やし飴」が大好きで、東京に帰ってからも祖母がよく作ってくれました。これは飴湯(麦芽水飴をお湯で溶き、生姜の絞り汁とシナモンを加える)を冷やしたも...
07月 17日 2013
今年も本格的な夏が来ました。このところ、大気の状態が不安定で、午前中は晴れて気温が35度前後まで上がったかと思うと午後にはいきなり大雨や雷雨、という日が続いています。
こんな時期には、室内でできることを優先するのが一番。この機会に暑中見舞いを書くのもいいですね。年賀状より喜ばれるし、なんとなくご無沙汰してしまった大切な人に連絡を取るチャンスでもあります。
とはいえ、手紙は書き出すまでが面倒なもの。
「私は手紙を書くのはおっくうがるくせに、もらうのは大好きだ」というのは、芥川賞作家の田辺聖子さんの「いっしょにお茶を」という素敵なエッセイの書き出しですが、こんな名人でさえ億劫なのです...
07月 3日 2013
近年すっかり忘れられていますが、旧暦6月1日は清少納言や紫式部も楽しみにした「氷朔日(こおりのついたち)」。今年の旧暦6月1日は7月8日です。
平安時代、この日に氷室の氷を口にすると夏負けしないと信じられ、いわば、夏バテ防止の魔除けの行事食。宮中では身分の低い人にまで氷片が振舞われました。
あてなるもの。削り氷にあまづら入れて、新しき金まりに入れたる。(「枕草子」第三十九段)
枕草子に当時のとても上品なものの代表として「氷室から運んだ貴重な氷を薄く削って新しい金属製のお椀に入れて盛りつけたもの」と記されているのを見る と、氷室から運んだ貴重な氷を薄く削った氷を新しい金属...
06月 7日 2013
今年は5月末に梅雨入り宣言が出ましたが、関東地方はやや勇み足だったらしく、週末まで晴天が続くそうですね。
さて、私たちが雨の日にお世話になる雨傘ですが、昔は雨に傘を差すこと自体が非常識だったのをご存知ですか?
傘の歴史をひもとくと、圧倒的に日傘歴史の方が長く、雨除けの傘ができたのはせいぜい300年前のこと。イギリスのハンウェーという人が、当時の貴婦人が 使っていたパラソルに防水加工をして雨の日に使ったのが最初ですが、彼は30年間も変人扱いされ続けた後、ようやく雨傘が普及していったのです。
一方、日傘の方は有史以来のステータスシンボルだったので、すでに紀元前7世紀のアッシリ...
05月 22日 2013
春に芽吹いた樹々の若葉が生き生きと輝いています。
今、エベレスト登頂に挑戦している三浦雄一郎さんや一緒に登っている豪太さんの心象風景は、ちょうどこんな季節なのかもしれません。
8000m級のエベレスト山頂は、体力年齢がプラス70歳になるといわれる過酷な世界。5年前、雄一郎さんが世界最高齢登頂記録を更新したときの山頂からの第一声は「ただいま頂上につきました、ありがとう。涙が出るほど厳しくて、辛くて、嬉しい」でした。
エベレストは、若き日の雄一郎さんが一躍「世界のMIURA」になった特別な山です。1970年に世界最高地スキー滑降に成功し、その記録映画「THE MAN WHO S...
04月 24日 2013
故郷やどちらを見ても山笑ふ 正岡子規
「山笑う」は春の季語。久しぶりに故郷に戻った正岡子規を温かく迎えてくれる人たち、故郷の山々までもが嬉しそうに………。このゴールデンウィークに、お里帰りしたくなりますね。
すくすくと伸びる若竹のような新人を職場に迎え入れて、もうすぐ1カ月。厳しい就職難をくぐり抜けてきた彼らが職場に新風を吹き入れ、しっかり仕事を覚えて、どんどん成長していくのが楽しみです。
わが国最古の物語「竹取物語」は、竹の不思議な力にちなむお話です。古来、竹は茎が空洞であること、成長が急激なことから神聖視され、神霊の依代(よりしろ)と考えられていました。
竹...
04月 10日 2013
麗らかな春の陽気に包まれて、4月はスタートの季節です。桃、八重桜、シバザクラ、アヤメ、チューリップ、フジの花。色とりどりの花が、新入社員や新入生を祝福するように一斉に咲いています。
とはいえ、ここしばらく、新入社員は緊張と気疲れで大変でしょう。新人の皆さんは先輩に教わりながら、これから知識や知恵を生み出す種子。今の熱意と生き生きした好奇心を大切にしてください。
さて、「春眠暁を覚えず」といいますが、目覚めには日の出の時刻が大きく関係します。例えば、東京で毎朝6時半に起きる人なら、3月初めは日の出が 6時頃だったのに、朝に光を浴びる時間が早い方にどんどん前倒しになって、4月中旬には...
03月 28日 2013
関東地方では例年より早く桜が満開です。そういえば、関東では結婚式や結納には桜湯が供されます。静々と運ばれた蓋椀の蓋を取ったとき、薄いピンクの桜の花からふわりと立ち上る桜の香り。お式でないときでも、桜湯が出てくるだけで、あらたまった気持ちになります。
桜湯とは、桜の花を摘んできて自然塩とごく少量の梅酢で漬けた桜の塩漬けを二輪、湯のみにとって、お湯を注いだもの。「関山」という美しい八重桜の蕾が開きかけたところが、でき上がったとき不思議に色も香もよいそうです。
桜湯に使うのは「関山」という対(つい)で咲く大輪の八重桜の花。お椀の中で二振りの花が開くのは、新婚の二人が仲よく添い遂げるという...
03月 18日 2013
このところ、庭先の梅にメジロがよく訪れます。高い声で囀りながら八分咲きの紅梅の枝を飛びまわって花の蜜を吸う姿がとても愛らしくて、気がつくと、ついメジロの姿を探しています。
日本野鳥の会の情報では、今年はすでに北関東にもツバメが飛来しているようです。気の早い夏鳥も、南から渡ってきます。ここしばらくはウグイス、ツバメ、カケスなどの夏鳥と、日本で冬を越したハクチョウ、カモ類、ツグミなどの冬鳥が行き交う楽しい季節です。
さて、太古から鳥の渡りは人間にとって大きな謎でした。たとえば、古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、ツバメは木のウロや泥の中で冬眠すると考えていました。
最近は人工...
02月 27日 2013
庭の水仙の葉がぐんぐん伸びてきました。例年より少し遅れたものの、紅梅のつぼみもようやく色づいて、おひな様の頃には可憐な花を楽しめそうです。
おひな様に添える桃の花は新暦の3月だとまだ咲いていないのでほとんどがハウス栽培ですが、梅も桃も古来より邪気を祓うといわれた神聖な花。ひな祭りは花ひらく春の訪れです。
とはいえ、春の訪れは杉の花にも。スギ花粉症の患者さんには気が重い時期ですが、花粉症対策は「物理的にできるだけ花粉にあたらないこと、花粉症の薬をうまく使うこと」に尽きます。
普段より日中の最高気温が高い日、前日に雨が降って翌日にカラッと晴れた日、晴れて空気が乾燥して風が強い日は、特...
02月 13日 2013
石垣島では緋寒桜(ヒカンザクラ)が満開です。花言葉は「あでやかな美人」。寒い時期に咲く緋紅色の桜で、うつむきがちに咲く姿も可憐です。バレン タインデーの時期で皆様の心には春が来たといえ、まだ肌寒い日が続きます。寒くて空気が乾燥しているうちはウイルスの飛散量が多いので、あともう少し、イ ンフルエンザと風疹の感染に注意しましょう。
さて、先週末の国立感染症センターの報告によるとインフルエンザのピークは先々週だったようで、患者さんの数が初めて前の週より減りました。とはいえ、警報レベルに達した県は全国的に増えており、風疹もここ数年で一番多い状況が続いています。
この時期からのインフルエンザ対...
01月 16日 2013
真っ白な新雪を抱いた美しい富士山。太古から神話や芸術作品のモチーフとして日本の文化を支えて来たこの山は、日本人の心のよりどころです。
「富士山」という名前の由来には諸説あって、一番古い記述は奈良時代の常陸国風土記の「福慈」、万葉集では「不尽山」「不士能高嶺」「布二能嶺」。「富士」という字が初めて使われたのは平安時代初期の「続日本紀」といわれています。
ちなみに日本最古の物語「竹取物語」は「不死」の山という表記でした。かぐや姫が月に戻る際、帝に不老不死の薬を残しましたが、帝は不老不死になるのを拒んで、家来に命じて日本一高い山の上でその薬を焼かせたというお...