活動報告5 多様な人材活用と働きやすい職場づくり

働きやすい職場づくり

 

ジーシーでは、経営管理手法の中核を担うGQM活動の3本柱の一つに「社員満足の向上」を掲げています。
社員満足の向上を図る一つの手段として「働きがいのある職場づくり」を行っており、さまざまな人材が安心して働き活躍できる環境を整えています。

 

  社員満足度調査の実施                                                                                     

 

2022年度の社員満足度調査の結果においては、報酬への満足度や、20代の成績評価・昇格に対する満足度が向上しており、2021年度より導入した新人事制度の効果が表れていることを確認しました。一方で、人事制度は成果主義に舵を切ったことで「成績評価」「昇進・昇格」について、社員の理解がまだ充分に得られていないことが判りました。会社として「人事制度に対する理解を高める取り組み」や「制度のブラッシュアップ」を行い、「社員の皆さんが夢を持てる人事制度」にしていかなければと考えています。30年続けた社員満足度調査ですが今年でその役割を終えました。それは「社員が不満を改善すれば会社がよくなるわけではない。社員に会社を好きになってもらうことで社員・会社双方のWin-Winの関係を構築する。」というエンゲージメントの考え方が、今の時代に求められているからです。そこで我が社では世界的に著名なギャラップ社に依頼し「なかまエンゲージメント調査」を、9月より新たに全世界で開始いたしました。この調査は社員が「会社や職場が好きか?」を知るためのもので、世界のジーシー各社毎に結果が出てきます。その調査結果を用いて「社員と会社が価値観やビジョンを共有して、より会社が好きになってもらう」ために世界共通あるいは各国ごとに様々な施策を考え実施していきます。社員の皆さんに会社をより好きになってもらい、一層活躍いただくことで業績が上がり、その成果を会社と社員で分かち合う、そんなサイクルを目指しています。

 

「なかま」の安全と健康                                                                                 

 

安全であることは、職場環境の必須条件です。ジーシーの本郷(GC Corporate Center)と板橋(GC R&D センター)では、会社側と組合から委員を選出し、月1回安全衛生委員会を開催して、課題を話し合っています。安全衛生週間と労働安全週間には、職場巡回を実施して職場の安全と衛生維持に努めています。
また健康については、40歳以上の社員には5年ごとの人間ドックの受診を勧めており、通常の年1回の健康診断(35歳以上は生活習慣病健診)の結果にもとづいて、要2次検査者のフォローも100%をめざしています。今後は生活習慣病予防のアドバイスなどを展開し、要2次検査者ゼロをめざします。

 

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職場巡回による点検の様子

 

  メンタルヘルスケアの充実                                                                            

 

ジーシーでは外部機関と提携し、面談や電話での相談を無料で提供しています。本人だけでなく家族も利用でき、さまざまな相談がなされています。近年はストレスを感じて健康を損なう社員も出てきているので、今後はより充実したサービスを提供し、メンタルヘルスケアの充実を図っていきます。また、社会に出て間もない新入社員や若手社員へのメンタルサポートとして、人事部の担当者がインタビューを行い不安や疑問を取り除くようにしています。年2回の上司との個人面談の結果で気になる社員がいれば、人事部から再度面談を実施し、不安を軽減するようにしています。海外のグループ企業もメンタルヘルスケアに積極的に取り組んでいます。GC ヨーロッパでは、安全で健康的かつ生産的な職場環境の維持のために、IDEWEによる健康診断や健康サポート、ワークグループ・ストレスやその他精神的・社会的ケア、CPBW会議、OHSAS、5S、火災保険監査などの実施、事前リスクの分析・評価などを推進しています。

 

  仕事と育児・介護の両立支援                                                                           

 

ジーシーでは、介護・育児へのケアなど、休職中・復職後も安心して働ける環境を整えています。ジーシーの育児休暇制度は子どもが2歳になるまで取得でき、法で定める期間よりも長く育児に専念することができます。また、育児期間中は国からの補助に加え、会社からも支援金を支給する独自の支援を行っています。これらの制度やフレックスタイム制度を利用して、育児および介護と仕事を両立する「なかま」も年々増加しています。育児休暇制度は海外でもすっかり定着しており、GCアメリカでは従業員全員が育児休暇後に復帰しています。GCコリアでは、育児休暇後の復帰・定着率は100%です。ジーシーは、今後は多様化する育児や介護のスタイルに合わせた両立支援を進め、「なかま」のワークライフバランスのさらなる充実に取り組んでいきます。

 

  福利厚生制度                                                                                                      

 

すべての「なかま」が健康でゆとりのある生活を送ることができるように、さまざまな福利厚生制度を導入しています。また、2007年に制度全体をデータべース化し、制度や施設の周知と利用促進を図っています。

 

[ リフレッシュ休暇制度 ]

勤続年数10年ごとに休暇を取得する制度で、企業品質の向上やゆとりの創造、個人と職場の活性化につながっています。1991年の導入以来、2022年度までに70.1%の「なかま」が取得しています。

 

[ 中尾勤労報奨金制度 ]

会社の利益配分の一部を株主だけでなく「なかま」にも支給するもので、創業者である中尾清前会長の思想を受け継ぎ1946年から続く制度です。役員を除く「なかま」に対して、賞与とは別に毎年2月に支給しています。

 

[ 褒称制度 ]

「なかま」の働く意欲と情熱を称え、感謝の気持ちを表すために1995年にスタートしました。あえて「褒称」とし、さまざまな職種、できるだけ多くの「なかま」が該当するように14種類の賞を設けています。毎月の朝・昼礼会では、顧客担当アソシエイト賞、努力賞を表彰しています。また、特に顕著な業績を残した「なかま」に対しては、毎年2月の創業記念式典で、功績賞、発明特許賞等を授与。2022年度は53件、250名の個人・グループに賞状と記念品を贈呈しました。

 

[ カフェテリアプラン ]

複数の福利厚生メニューから、自分のニーズに合わせて必要なメニューを選択して利用する制度です。保険、貯蓄、住宅、自己啓発、ワークライフバランス、保養所など45種類のメニュー(2022年度)から、各自の持ち点の範囲内で組み合わせて利用。近年は、自己研鑽や啓発メニューの充実を図り、「なかま」の自立意識の確立に役立てています。

 

[ GCアメリカ-確定拠出型退職金制度 ]

GCアメリカでは、確定給付型年金制度を設けていませんが、確定拠出型退職金制度は継続しています。将来の責務に関しては、第三機関の保険数理士グループによる評価が毎年実施され、財務報告書に記載しています。

 

  労使関係                                                                                                            

ジーシーでは、戦後いち早く労働組合に代わる「社内業務委員会」が設立され、1955年には「而至化学労働組合」が結成されました。上部団体を持たない単一組合となり、設立当初から現在まで良好な関係が保たれています。
団体交渉は春の賃上げ、夏・冬の賞与と主に3度行っており、「なかま」との対話を重視しています。また、労使共同で解決すべき課題があるときは、別途労使協議会を開催し速やかな解決をめざしています。毎年夏には労使共催でお祭も開催し、組合員・非組合員を問わず親睦を深めています。

 

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家族でハワイを満喫したリフレッシュ休暇。rd

研究所
加藤 克人

勤続10年のリフレッシュ休暇は家族でハワイ旅行に行きました。私は単身赴任をしていて、普段はなかなか家族とゆっくりするのが難  しいのですが、リフレッシュ休暇中は家族そろって楽しい時間をたっぷりと過ごすことができました。ハワイの海ではウミガメと一緒に    泳ぐこともでき、家族の貴重な思い出となりました。日常と離れた環境で息子と思いっきり一緒に遊び、彼の成長を感じることもできました。勤続10年の節目の年に、まとまった時間を仕事から離れて過ごすことで、自分自身を客観的に見直す貴重な経験となりました。

 

  従業員の傷害状況                                                                                           

 

GCアメリカでは、OSHA(米国国際安全衛生センター)に基づき労働安全衛生を推進し、労働災害の発生件数や種類などをデータベース化しています。

 

OSHAに基づく労働災害発生件数

 

労働災害の種類

 

  人権保護の取り組み                                                                                        

 

ジーシーグループは、人権の保護にグローバルに取り組んでいます。特に、多民族社会のアメリカでは人権への取り組みを重視しており、GCアメリカでは管理職全員に順守事項の研修を実施しています。差別的な出来事はこれまで確認されず、先住民の権利侵害に関する苦情を受けた事例もありません。
児童労働や強制労働に対するチェック体制も構築しており、採用希望者は年齢および米国内での就労資格を記載した書類の提出が必須となっています。また、採用にあたっては、連邦政府を介した身元照会を行い、児童労働や強制労働、人権に関するリスクに対処しています。