超高齢社会への取り組み
世界でも類を見ない「超高齢社会」を迎えた日本ではいま、生きる力を支える歯科医療の役割はますます大きくなっています。
歯科医療を通じて「健康寿命」延伸に貢献する、ジーシーの取り組みをご報告します。
口腔機能を回復させる再生医療へのアプローチ
ジーシーは、口腔機能を回復させる再生医療に、材料・成長因子・細胞の3つのアプローチから取り組んでいます。いま、iPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)など、さまざまな細胞へ分化する万能細胞が注目を集めています。ジーシーでは、これまで広く研究されてきている幹細胞の一つである間葉系幹細胞を用いた歯槽骨の再生や、歯周組織の再生をめざす研究・開発を推進。国内初の吸収性歯周組織再生用材料として開発されたジーシーメンブレンは広く臨床に利用され、保険にも収載されています。
歯科医療を通して高齢者の健康を守る「東京宣言」への取り組み
~FDIとのパートナーシッププロジェクト「OHAP(Oral health for an ageing population)~
2015年3月、東京で日本歯科医師会等主催の「世界会議2015」が開催され、健康寿命を延伸させるための歯科医療・口腔保健のあり方をめぐって、国内外のエビデンスに基づく歯科医療政策の提言や、急増する高齢者の健康を守るための政策などについて意見交換がなされました。本会議では最後に『東京宣言』が採択され、今後日本のみならず世界先進国の高齢化社会に共通する課題とアプローチが明確となりました。会議終了後、ジーシーは、世界の歯科界での共通問題を解決することを目的にFDI(国際歯科連盟)とパートナーシップを結び、共同で『東京宣言』の志を継いでいくことを記者会見で表明しました。
2016年5月には、スイスのルツェルンにてFDI-GCのOral Health for an Ageing Populationのパートナーシップによる第1回ルツェルン会議をスタートし、OHAPシーズン1の活動として、International DentalJournalにおいて「Oral health for an ageingpopulation : Evidence for a fundamental humanright」を発行し、健康長寿の延伸と口腔保健の関与についてのエビデンスを蓄積し、また、高齢患者の健康状態・介護の要否レベルに合わせた治療指針を取りまとめたチェアサイドガイドブックを発表しました。
2021年9月にはOHAPシーズン2のキックオフが行われ、より実践的な活動ができるようにガイドブックのアップデートが協議されています。
この活動は各国に共有されており、世界的に高齢化している社会の課題解決につながることが期待されます。
在宅訪問医療のパッケージを開発
ジーシーは、高齢者の健康をサポートする在宅訪問医療にも積極的に取り組んでいます。経済産業省の委託事業として、日本歯科医師会・日本歯科医学会・日本歯科商工協会のオールジャパン体制(歯科界全体)で開発を進めてきた「在宅訪問歯科診療専用ポータブル器材パッケージDENTAPAC KOKORO(デンタパックココロ)」を、2014年に完成・発売しました。
その他、高齢者専用の口腔ケアブラシ「プラティカ」シリーズを発売するとともに、訪問診療時に必要とされる材料をシステムキットとしてまとめるなど、日本発の健康長寿社会のモデルづくりを通して「健康寿命」の延伸に貢献しています。